「ダイヤモンド砥石 #150番/#600番」を、月寅次郎が使ってレビュー
「SK11 両面ダイヤモンド砥石 #150/#600番」
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分類:荒砥石
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粒度:#150/#600番(両面)
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砥材:ダイヤモンド
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結合:電着(アルミ板を母材とし、ダイヤ砥粒をニッケルメッキ層で固定)
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ブランド:SK11
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販売会社:藤原産業
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製造会社:記載なし
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寸法:204 x 65 x 7mm
「SK11 両面ダイヤモンド砥石」は、藤原産業が販売している電着ダイヤモンド砥石です。
個人的に使用しているのは#150/#600番の製品ですが、粒度の異なる#400/#1000番の製品も販売されています。
このダイヤモンド砥石には、滑り止め用のゴムシートが付属しています。(下に敷いて使うことで台側に傷が入ることを防止できます)
わたしが使っている
自作の研ぎ台 には、表面にゴムシートが貼ってありますので、これを使う必要はありませんが、このような専用の砥石台をお持ちでない方は、付属のゴムシートを敷いて使いましょう。
両面ダイヤモンド砥粒ですので、反対側にも硬度の高い砥粒が露出しています。
流しのステンレス台やシステムキッチンの人造大理石(コーリアン)の上で、シートを敷かずに直接置いて使うと、台側に傷が入ります(気をつけましょう)
SK11 両面ダイヤモンド砥石のインプレ(荒砥として使う場合)
SK11
ダイヤモンド砥石
#150/600番
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電着ダイヤ砥石なので、いくら研いでも平面度が崩れない。
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ダイヤモンドだけあって硬度が高く、高い切削力でゴリゴリ削れる
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使い始めは砥粒のキレも良く、ジョリジョリ削れるが、砥粒の角が落ちるに従って、削り心地がややマイルドになる(砥石が減らない事との二律背反なので、致し方ありません)
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砥泥が全く出ないため、研ぎ味良好とは言いづらい(滑らかなグライド感は得られにくい。力の入れ方、研ぐ刃物によっては、食い込んで突っ張ることも)
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砥粒は表面に固定されている一層のみなので、砥粒を剥離・脱落させないように使いたい
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両面タイプのため、ツボ万の「アトマ」に比べるとコスパも良好。素性不明の中華製電着ダイヤ砥石よりも安心して使える。
SK11 両面ダイヤモンド砥石のインプレ(修正砥石として使う場合)
SK11
ダイヤモンド砥石
#400/1000番
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手早く砥石の面直しができる点は、評価に値する
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面直しの際、砥石の角が当たると砥粒が剥離しやすい(気をつけよう)
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平面は完全でない場合もあるが、そもそも完璧な平面など存在しない(そこは上手に利用して使う。こだわる場合は『ツボ万』の製品がおすすめ)
SK11 両面ダイヤ砥石 買うならこちら
平面度について
ツボ万 アトマ
砥石修正用
ダイヤモンド砥石
安価な量産品の工業製品に完全平面を求めるのは、そもそも無理があります。
より平面度にこだわりたい場合は、専業メーカーであり電着ダイヤ砥石で定評のある、『ツボ万』の
アトマエコノミー
を使いましょう。
さらに完璧を求めたい場合は、自分が納得いくまで平面を出した金属板に、
アトマエコノミーの交換用ダイヤモンド替刃
を貼って使うという方法もあります。(ベース材にガラス板を使うのも良い方法だと思います)
SK11は、実用に足る信頼性とコスパの良さで評価されている大工道具用品ブランドです(決して高級品ではありません)
平面度も完璧ではありませんので、それを理解した上で使うと良いでしょう。
このような安価な量産工業品に対し、『精度が出ていない』と批判的なレビューを書き込む方もおられますが、ミクロンオーダー精度の仕事に、どれだけのコストと手間、そして熟練度が必要か、理解が無いと自認するようなものです
※ 補足
「平面が完璧ではありません」と書きましたが、これは少々オーバーな表現でもあります。
個体差もあるとは思いますが、一般的な感覚では「充分に平面が出ている」とも言えます。
裸眼による目視では平面にしか見えません。和包丁の切刃を面で当てて研いだ場合に、(わずかに盛り上がった部分が)触感的な圧力差として指先に伝わってくる程度の話です。
平面度にどこまで敏感であるかは、個人差も大きいものです。
一般的な砥石を使っていて、数分間研いだだけで「このあたりが凹んできた」と修正砥石を当てたくなるような衝動に駆られる人であれば、この感覚も判ろうというものですが、こまめに修正砥石を当てない方にとっては、「気にしすぎ」と言われるかもしれません。(そういう細いレベルでの話です)
カンナやノミを研ぐ用途で、ビシッとした平面が不可欠である方おられるとは思いますが、包丁研ぎの場合は、そこまでの平面度は必要ない人の方が大多数です。このあたりは研ぐ刃物の種類と個人差にもよりますので、自分の必要に応じて判断すると良いでしょう。
ちなみにわたしの場合、平面でない部分は指先に伝わってくるので気にはなりますが、逆に出っ張った部分を利用して研ぐ方向性でやっています。
利用できない場合は、その部分を避けて研ぐようにしています。
上手な使い方(荒砥として使う場合)
最初はソフトに当てて様子を見る
使い始めはソフトに当てて、刃の状態をこまめに観察しながら使いましょう。
特に、パッケージ開封後に初めて使う時は、軽い力(弱めの圧力)で研ぐ事をおすすめします。
ダイヤモンド砥粒は高硬度のため、刃面に容赦なく砥粒が食い込みます。
あまり深い傷を入れ過ぎると、その後の工程で、傷が取れずに苦労する事もあります。
研磨力が高いというのは素晴らしいことですが、研ぎ目は浅い方が、後の処理が楽なのです
電着ダイヤモンド砥石は、表面に砥粒を定着させた研磨工具という意味では、サンドペーパーと似た部分があります。
こちらの、サンドペーパーはどれも同じではありません の「研磨・ポリッシング・鏡面仕上げのポイント」の項目では、「切れの良い新品の状態と、使い込んでへたったペーパー」を意図的に分けて用いるテクニックを紹介していますが、ダイヤモンド砥石でも似たようなことが言えます。
その時の砥粒の状態を意識しながら、角の立ち具合に合わせ、研ぎ圧を調整・確認しながら望めば、大きな失敗はしにくいものです。
力任せに研ぐと、砥粒が剥離することも
使い始めは砥粒の角が立っているため、食い込み具合も極めて良好です。
電着ダイヤ砥石は、砥粒が表面一層しかありません。
角が少し丸くなり、初期の食いつき具合が落ち着いてからが「本番」と思って使いましょう。
角の立った初期状態を、本来の性能と捉えない方が得策です。
力を入れて研ぐのは、切れ込み具合がやや落ち着いてからの方が良いです。
初期状態では砥粒が深く食い込みやすく、深く食い込んだ状態で力を入れてゴリゴリ研ぐと、砥粒固定力の限界を超えてしまい、剥離する恐れが高まります。
刃欠けを生じさせないよう、研ぎ方にも配慮を(片刃の和包丁の場合)
ダイヤモンド
角砥石#400
硬度が高く、刃筋の薄い包丁の場合は、刃筋をむやみに当てると小さな刃こぼれが生じる懸念があります。(片刃の和包丁などは特にです)
(普通の洋包丁ならば、「かえり」となって反対側に出るところが、高硬度で靭性が低いことが逆に災いして、刃こぼれとなる場合があります)
番手が低いは特に気をつけましょう。600番以上の場合はその懸念も幾分和らぎますが、400番以下のダイヤモンド砥石を使う場合は、少し気を使って様子を見ながら研ぐことをおすすめします。)
電着ダイヤモンド砥石は、母材が金属のため力の逃げ場がありません。加えた圧力がそのままダイレクトに伝わります。
また、砥石との当たりが点接触となりやすいため、結果的に極圧がかかりやすく、砥粒の食い込みが厳しいのが特徴です(ほとんど砥粒の頂点のみで接触しています)
道具として強力な物は、上手に使えば仕事の効率を大きく向上させてくれますが、一つ間違えるとダメージも大きく出てしまいます。
(いわゆる「大失敗」です)
そういう意味でも、「感覚がつかめて確信が持てるまでは、こまめに様子を見ながらソフトに研ぐ」というのは重要です。
同じダイヤモンド砥石でも、非電着タイプの『ダイヤモンド角砥石』であれば、あまりクリティカルに考える必要はありません。(これですと、わりと普通の感覚で研ぐことが可能です。ただ、価格は大幅に高くなります。)
(左上の画像の商品です。実売価格が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてみてください)
比不倉鉋の刃(利通)を研いだ時の様子です。
表面に漂っている黒褐色の粒子は、刃が研げることで生じた鉄の微粒子です
砥泥が出ませんので、このような感じに研ぎ上がります。
なんというか、ヤスリに水をかけて削っているような感触です。
堺一次の薄刃包丁を手直ししている様子です。
砥粒がしっかり食い込んでよく削れますので、鎬筋を上げたり、刃筋の修正作業も楽です。
ただ前述のように、和包丁の場合は刃先をむやみに当てると刃欠けが生じる場合もありますので、上手に使いこなしたいところです。
使い始めの時点では、このようにきれいな銀色の砥面をしていましたが…。
使い込むに従って、鉄の微粒子が付着したのか、金色に変化してきました。
酸化鉄の色だと思われます。
顕微鏡での拡大画像
#150番の表面を、顕微鏡で観察した画像です。
同じく、#600番の表面を、顕微鏡で観察した画像です。
#150番で研いだ刃の表面を、顕微鏡で拡大した画像です。
#600番で研いだ刃の表面を、顕微鏡で拡大した画像です。
顕微鏡による研ぎ目の解析については…。
● 荒砥石で研ぐ - 顕微鏡解析1 のページをご覧ください。
重複になりますので、こちらのページでは割愛しています
月寅次郎が使っている砥石
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