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イトーキ・スピーナ(OAチェア)の分解

最終更新日: 作者:月寅次郎

オフィスチェア ガスシリンダー交換

イトーキ・Spina(スピーナOAチェア)の分解作業手順です

今回の分解は、ガスシリンダー交換の準備作業として、座面、座面ベース、背もたれ、メインフレーム、リクライニング機構等を取り外します
インナーシリンダー上部を露出させ、叩き出しが可能な状態にするための分解作業です

オフィスチェア ガスシリンダー交換
イトーキ Spina
スピーナチェア

作業対象となるイトーキSpina(スピーナ)です

わたしが実際に使っている椅子で、今回の作業対象です
すでに10年ほど使用しており、毎日長時間座っているため、着座時間も相当なものになっています

座面の取り外し

オフィスチェア ガスシリンダー交換
底面裏の4つのボルトを外し、座面(実際に座るクッションの部分)を外します

上の画像は、取り外した座面ベースの裏側です

座面ベースを取り外す

オフィスチェア ガスシリンダー交換
ko-ken
ソケットレンチセット

座面ベースを取り外します

座面ベースの側面にある4つのボルトを緩め、カラーごと抜き取ると座面ベースが外れます
樹脂製のカラーが挟まれており、外す時に落ちて転がっていきやすいです(紛失しないよう気をつけて作業したいところです)

わたしが使用しているイトーキSpinaは、定価10万を超える高級チェアですので、複雑で凝った機構を内蔵しており、座面を外した後、ロッキングストッパーを外すために、左右のダイキャストフレームを分離し、背もたれを取り外す必要がありました

数万円程度の普及型オフィスチェアであれば、比較的構造がシンプルですので、ここまでの作業は必要ないケースがほとんどでしょう
ただ、あまりに安価な椅子は、ガスシリンダー交換作業を考慮していない構造となっていることもあります
いわゆる「使い捨て」です

破壊でもしなければ、ガスシリンダーの上部が露出できない場合、ガスシリンダーが壊れたら、それで終わりの「使い捨て椅子」であると考えて、椅子そのものを買い替えた方が良いでしょう

オフィスチェア ガスシリンダー交換
座面ベースが外れました

樹脂カバーを外す

オフィスチェア ガスシリンダー交換
エーモン
内張りはがし

樹脂カバーを外し、内部機構にアクセスできるようにします

この手の樹脂カバーは、爪で嵌っているだけですので、爪の噛み合わせを外せば簡単に外れますが、年月の経過したものは樹脂パーツの柔軟性が劣化し、「爪」や「受け」がポリッと折れる事があります
室温が低い状態で作業する場合もそうなりやすいです

樹脂パーツ外しに慣れていない人は、どこに爪があるか判らずに途方に暮れるか、力任せに引っ剥がして、爪を折ってしまうことがよくあります(樹脂パーツ外しあるあるです)

上手く行かない場合は、樹脂製でヘラ状の「内張り剥がし」を使いましょう。狭い隙間に差し込むことができますので、指ではどうにも埒が明かない時に有効です
二股タイプの金属製内装外しは、ここでは使いません(あれは自動車内装の固定クリップを外すための工具です。オフィスチェアには適していません

オフィスチェア ガスシリンダー交換
WORKPRO
ソケットレンチセット

内部の構造です
下半分が「ロッキングストッパー」になります(背もたれの角度を調整する機構)

中央少し下(スプリングの右横)に、インナーシリンダーの上端部が見えています

この状態からシリンダーを叩き出すことができれば楽なのですが、「昇降ボタン押下レバー」がシリンダー上部に被さっているため、叩き出し作業ができません(構造上、いたしかたありません)

オフィスチェア ガスシリンダー交換
レバーを上に上げて、インナー上端部を露出させたところです

シリンダー上部中央に位置する突起は、ガスシリンダー内の弁を操作するボタンです(押すとシリンダーが伸び、椅子が高くなります)

よく見ると、シリンダー上端部の外周に錆が浮いていることが判ります
錆が出ると固着が強固になりますので、叩き出しの障害となります(あまり好ましい状態ではありません)

背もたれを取り外す

オフィスチェア ガスシリンダー交換
ソケットレンチを使用して、メインフレーム取り付けボルトを緩めます
左右に2つあるシルバー色のパーツが。この椅子の「メインフレーム」です

背もたれをメインフレームに取り付けてあるボルトも、同様に外します

この部分は4本のボルトのうち、1本のみ嵌合が異常に固く、ヘックスボルトのネジ穴を舐めないよう気を使っての作業となりました
後で確認したところ、ボルト取り付け穴に「ずれ」があり、わずかに斜めになっていたために余計な力がかかっていたことが判りました

ヘックス穴の深さにもう少し余裕があれば、このくらいは余裕で作業できたのですが、ボルトの緩み止め剤(ロックタイト)が多めに塗布されていたこともあり、少し危なっかしい感じがしましたので、念の為スクリューグラブを使用しました
本来はボルト/ナットではなく、ネジに使用するものですが。完全に舐めてしまうといろいろ大変ですので、予防策です

オフィスチェア ガスシリンダー交換
背もたれが外れました
(内部機構の一部も取り外しました)

上の画像のメインフレームは、嵌っているだけの状態です
左右から抜き取るだけで、メインフレームが外れます

フレームを取り外す

オフィスチェア ガスシリンダー交換
外したメインフレームです

重厚なダイキャスト品が使用されており、しっかりとコストをかけた造りになっていることが判ります

鉄板をプレスして作った安物とは、大きな違いを感じさせる部分です

このイトーキ・スピーナは、何年使っても全くギシ音が出ませんが、それはこのように骨格部分が堅牢にできているため、フレームがたわむことなく、設計した通りに作動するからです

オフィスチェア ガスシリンダー交換
メインフレームを取り外すと、ロッキングストッパー(リクライニング角度を調節しているアッセンブリー機構)を外すことができます

ロッキングストッパーを外すと、インナーシリンダー上端部が露わになります

オフィスチェア ガスシリンダー交換
Ko-ken
Z-EAL 差込角3/8
ヘックスビットソケット

分解作業の完了です

今回は、ガスシリンダーの交換(叩き出し)のための準備作業ですので、ここで分解終了となります
これ以上分解する必要はありません

「急がば回れ」というやつで、ここまで作業を進めると、叩き出し作業も非常に簡単になります
後は、当金を当てて、真上から衝撃を与えれば良いだけです

具体的な叩き出し作業の方法は、以下のページを参考にしてください

アウターシリンダーの叩き出し のページ

インナーシリンダーの叩き出し のページ

ガスシリンダーを叩き出す前に、インナーシリンダーとアウターシリンダーを分離しておくと、作業がさらにやりやすくなりますので、そちらもご併読ください
ガスシリンダーの分解 のページ

ガスシリンダーは、テーパー形状で嵌っているだけですので、固着が緩むとストンと外れます
円柱形状の圧入ではあリませんので、最後まで叩き出す必要がありません


なお、実際の叩き出し作業は、インナーシリンダーとアウターシリンダーを分離させてから行った方が、スムーズかつ確実に行えます

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オフィスチェア ガスシリンダー交換
KTC
パーツトレイ

今回使用した工具です

マグネット付きパーツトレイは、こういったDIY作業には欠かせません

オフィスチェア ガスシリンダー交換
わたしの工具箱です

作業にはきちんとした工具を、適材適所で使いましょう
ソケットやメガネレンチで回すべきところを、スパナでやるようなことをしていると、後々自分に返ってきます


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