OAチェア ガスシリンダー取付時の注意事項

最終更新日: 作者:月寅次郎

オフィスチェア ガスシリンダー交換

ガスシリンダーの取り付け

AKRacing
ガス式昇降シリンダー
長尺タイプ
ガスシリンダーの取り外しが無事終了したら、交換作業の8割は終わったと言っても良いでしょう

取り付けは難しくありません、一言でいうと「嵌めるだけ」です
ガスシリンダーを嵌めた後、一度座れば、体重の重みで充分に固定されます

※ 今回使用したのは「AKRacing ゲーミングチェア用ガス式昇降シリンダー(長尺タイプ)」です
(左の画像の商品です、実売価格が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてご覧ください)

ガスシリンダーの組付け手順

  1. 椅子の脚の穴に、ガスシリンダーの太い方を差し込む

  2. ガスシリンダー上部に、座面ベースを嵌め込む

  3. 垂直に嵌っているか、斜めにズレていないか、側面から目視で確認する

  4. 上から手で押さえつける(嵌りが浅くなく、しっかり嵌っている事の確認)

  5. 座面ベースに背もたれ、座面を組み付ける

  6. 実際に座り、ガスシリンダーを上下させ、正常に作動することを確認する

ガスシリンダー取り付け時の注意

椅子を大事に長く使いたい場合は、次回のシリンダー交換まで視野に入れて作業しましょう

嵌合部にグリスを塗布する

AZ
万能グリース

シリンダーを装着する前に、嵌合部にグリスを薄く塗っておくことが重要です
グリスを厚めに塗っても構いませんが、嵌合時に余剰な分量は押し出されるだけです

テーパー部(嵌合する部分)に錆が生じると、受け部との固着が激しくなり、容易に抜くことができなくなります
表面が清浄であることを確認した後、グリスを薄く塗って、圧入部の接触面に錆が出ないよう対策を施しておくと、再交換時の抜き取り作業が楽になります
CRC 5-56にも一時的な防錆効果はありますが、すぐに揮発しまうため、その効果は極めて短時間に限定されます(長期に渡る防錆効果は無いと言って良いレベルです)
必ずグリスを使用しましょう


KURE
シリコンスプレー

ガスシリンダーを再び交換する日が来るのは、5年先か10年先か分かりません
しっかりした製品であれば、そこそこ長い年数使えるはずです

5~10年後の将来に、再度ガスシリンダーを交換することを考慮する場合は、このように「取り外し」も考慮して、取り付け作業にあたりましょう

製造業の現場では、ボルトの緩みなどに起因した事故が起こらないよう、「なるだけ強固に固定しよう」とする傾向があります
締結トルクの設定を見ると、「緩まないように、外れないように」としていることが判ります

一定の割合で、無茶な使い方をするユーザは必ず存在するため、極端な使用方法でも製造者に責任が及ばないように、余剰マージンをしっかり取って、強固な締結にしています

これは、言い換えれば、「外す時のことをあまり考えていない」とも言えます

これと同様に、外す時の事を考慮しないのであれば、嵌合部にグリスを塗る必要はありません
そのまま組み付けてしまって大丈夫です

ですが、「この椅子は、部品を交換しながら、大事に長く使用する」というつもりであるなら、ガスシリンダーを組み付ける際もグリスを塗布しておいた方が無難です

錆にくいガスシリンダーを使う

インナーシリンダーが黒色粉体塗装されている製品は、耐蝕性能が高いです
最初からこのような製品を選択するのも効果的です

オフィスチェア ガスシリンダー交換

AKRacing
長尺シリンダー

上の画像は、わたしが現在使用している「AKRacing」の長尺シリンダーです (取り付け前に撮影しました)


見て判る通り、インナーシリンダーが黒色粉体塗装されており、錆に強くなっています

次回のガスシリンダー交換を8年後とした場合、2029年に交換時期がやってきますが、おそらく次回は非常に簡単に交換作業が終わることでしょう

粉体塗装のシリンダーに加え、錆防止としてグリスを入念に塗布していますので、錆による固着はおそらく発生しないものと思われます

また、分解作業の様子はこうして画像に撮って記録してありますので、まごつくこともありませんし、適性なガスシリンダーのサイズも判明しています

オフィスチェア ガスシリンダー交換
シリコン
グリース

上の画像は、取り外したシリンダーの状態です

浸透潤滑剤を事前に塗布していたおかげで、浮きサビは緩んでおり、拭うだけであらかた落ちたのですが、深い錆の跡がびっちりと残っています

黒く変色した部分は、腐食が深く進行した部分です
嵌合部に錆が発生すると、容積が増して密着度が極端に高まります。また錆の根が接触面の双方に食い込み、お互いが固着して外すのが難しくなります

このような状態にならないよう、組み付け時にグリスをひと塗りしておくと、将来的な交換作業が楽になるというものです

ちなみに、取り外し直後は下の画像のような状態でした(スプレーした浸透潤滑剤を拭う前の状態です)

オフィスチェア ガスシリンダー交換

今回使用したグリス

オフィスチェア ガスシリンダー交換
キタコ
マルチパーパスグリス

5g

シマノ
プレミアムグリス

100g
今回使用したグリースは、上の画像のサイズの大きな製品「シマノ プレミアムグリス」です

わたしは結構整備をやる方ですので、グリスもこのような100g入の大サイズを使っていますが、この量は一般の方でしたら一生かかっても使い切れないかもしれません

たまにしかDIY作業をしない方であれば、キタコのマルチパーパスグリスのような、5g入の小チューブで充分です
ただ、「大容量サイズ」を買っておくと、量を気にせずドーンと使えるというメリットもありますので、小分け・使い切りサイズが良いか、大容量サイズが良いかは、その人その人の判断によるところです

(左の画像の商品がそれですが、実売価格が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてご覧ください)

グリスではなくて、オイルではダメなのか?」と思う方もおられるかもしれませんが、ある程度の粘度が無いと、自重で垂れ落ちてしまいます
そのため、ベトベトで粘度の高いグリスが必要となるのです
正確には粘度ではなく「ちょう度」としてJIS規格で分類されています

「椅子がギシギシ鳴るので、シリコンスプレーをかけた」とかいう話もよく聞きますが、サラサラしたスプレーであればあるほど、効果が長続きしないものと思ってください。
ギシギシ音が鳴るということは、「擦れ」が発生しているわけですが、サラサラした液体だと、遅かれ早かれ擦れる場所から押しのけられて効果が無くなってしまいます

CRC 5-56も同様です。
CRC 5-56は、浸透性を高めるために、成分の大部分がケロシンで構成されています。
ケロシンは「ほぼ灯油」ですので、時間の経過とともに揮発して消失します。
気持ち程度に添加されている油分も、浸透性を阻害しないように低粘度のサラサラタイプが使われています。そのため、潤滑維持性能は最低レベルです(極圧潤滑性は皆無です)
(ごく短時間であれば「きしみ」を止めるくらいはできますが、潤滑に使えるレベルではなく、すぐに切れます。そもそもあれは潤滑用ではなく、あくまでも浸透用として使うものです)

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