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関孫六10000CC - 包丁おすすめランキング・関孫六プレミア限定

最終更新日: 著者:月寅次郎
関孫六10000CC

第2位は炭素鋼複合材の「関孫六10000CC」がランキング

消去法で潰していくうちに、炭素鋼の関孫六10000CCが2位となりました。

関孫六10000CCは、玄人向けの包丁です。包丁と料理の双方に、深い造詣のある人向けです。
ハンドルはクラシカルな本通しとなっています。プレミアシリーズで「本通し」はこの一本であり、地味で目立ちませんが、こと切れ味のポテンシャルにかけては他の追従を許しません。


5位の関孫六ダマスカスを「売るために作られた、外観重視の包丁」と切って捨てましたが、10000CCは、ダマスカスの対極に位置する、切るためだけに生まれてきたような包丁です。


炭素鋼の包丁は、その良さを判っている人にとっては、それ以外の選択肢を消してしまうような良さがあります。
(良さを分かった上で、あえてステンレスをお使いの方もおられるとは思いますが)

結局炭素鋼の包丁を買う方は、人からおすすめされようが、されまいが、炭素鋼(ハガネ)の指定買いをしますので、無理におすすめする必要もありまません(おそらくワタシがおすすめしなくても、進んで炭素鋼の包丁を買うでしょう)

炭素鋼複合材の10000CC、違いのわかる人だけ買いましょう

ステンレス包丁が当たり前になってしまった現代では、炭素鋼(ハガネ)の包丁は、(手入れを怠ると)錆が浮くということで、すっかり敬遠されるようになってしまいました。
プロ(本職)の料理人さんや、ハガネの良さを知る一部のユーザーからは唯一無二的に扱われ、根強い人気がありますが、家庭の台所からはすっかり駆逐されかねない勢いです。

貝印が、この炭素鋼の包丁を、クラシカルな本通しに仕立ててプレミアシリーズに入れてくるあたりに、日本の包丁メーカーであることの意地と誇りを感じます。

外観ではなく、「とにかく切れ味で勝負する」 そういった矜持が、この10000CCCからは伝わってきます。
(一部の人にしか評価されず、あまり売れなくても、それが真に優れた製品であれば、ライン落ちさせずに作り続けるという貝印の姿勢は評価に値します)

見てくれは、どこにでもありそうな包丁ではありますが、切れ味の深淵を追求しだすと、やはり炭素鋼に優るものはありません。
ステンレス系の刃物でもある程度のところまではいくのですが、炭素鋼は、刃の「かかり」が良いので、食材が逃げずに、スッと刃が入っていきます。

炭素鋼のクラッド材は、錆びに強い?

10000CCのブレードは、クラッド材(複合材)と呼ばれ、芯材に炭素鋼を配し、両側面を錆びにくいステンレス材で覆っています
炭素鋼が露出しているのは、刃先の部分だけですので、全鋼のハガネ包丁と比較すると、手入れがとても楽です。
使用後に水滴を布で拭っておけば、それほど錆に敏感になる必要もなく、とても使いやすいものです。
個人的には、同じ炭素鋼クラッド材の包丁として、関孫六 4000CLのペティナイフと三徳包丁を愛用していますが、一度も錆が浮いた事がありません。

水滴が付いたままの状態で放置すれば、さすがに錆が浮くと思いますが、それは10000CLや15000STのような、高級ステンレス包丁でも同じことです。
(10000STとダマスカスはVG10鋼材ですので、10000CLや15000STと比較すると、わずかながらも耐蝕性に勝ります)

ステンレス包丁も、高級なものは錆びる?

これは関孫六10000CL(1位の包丁)で実際にあった話ですが、購入直後の頃に、「ステンレスだから錆びないだろう」と思い、濡れたまま包丁差しに入れておいたことがあります。
結果的に、刃先の先端部分に、薄く錆が浮いてしまいました(おそらくその部分に水滴が残ってしまい、長時間水分と接することになったのでしょう)

ステンレスといっても、硬度の高い高級ステンレス刃物鋼材は炭素含有量が高いこともあり、錆に対して脆弱になる場合があります。
つまり、高価で切れ味の良いステンレス包丁ほど、錆には弱いのです(それでも炭素鋼よりはかなりましですが)

基本的に、低廉な価格のステンレス包丁は、錆には滅法強いですが、その分切れ味の冴えもありません。
ダイバー用や水中作業用途向けに、極端にサビに強いステンレス鋼材もありますが、そういう鋼材はお世辞にも切れ味は良くありません(はっきり「悪い」と言って良いほどです)
耐蝕性の高い刃物を作ろうとすると、どうしても炭素量を低くせざるを得ませんので、切れ味も悪くなってしまうのです。

結局のところ、使用後に水滴を拭って保管するというのは、ここで取り上げる関孫六のプレミアクラスになると、どの包丁にも必要な最低限のメンテナンスとなります。
そういう意味では、10000CCだけに特別手間がかかるわけではなく、きちんと包丁を大切に扱う人にとっては、炭素鋼であることの特殊性を意識することなく使用できます。
とはいえ、使いっぱなしで全くケアもしない人には全くおすすめできませんので、使う人を選ぶ包丁でもあります。

「ハガネの包丁を一度使ってみたい、でも錆が気になるので二の足を踏んでいる」という人には、一度使ってみて欲しい包丁です。

刃物はやはり切れ味で評価したい、刃がかりの良さは、炭素鋼ならでは

切れ味優先の視点で考えた場合、やはり炭素鋼の包丁を高く評価したいところです。

炭素鋼の良さの一つとして、砥石の番手を上げていって、切刃が鏡面になるまで仕上げた場合でも、「刃がかりの良さ」が保たれるところが挙げられます(ステンレス系だと、刃がかからずに滑りやすくなります)
(茄子の首の部分を切ってみると判りやすいです。ヘタに近い部分は皮が厚めなので、かかりの悪い刃の場合は滑ってしまって刃が入っていきません。少し水分が抜けて、張りのなくなったナスでやると、より判りやすいです)

よく「切れ味が良い包丁はどれか?」といった声を聞きますが、切れ味というものは、刃の鋭利さという基本的な要素に加えて、刃がかりの良さブレードの抜けの良さなど、さまざまな要素が合わさった結果として体感されるものです。

ただ単に、「切れ味」と大雑把に捉えるのではなく、「刃のかかり」の優れた包丁が欲しい …といった、切れ味の細かいところまで追求するような方には、炭素鋼の包丁は最良の選択となることでしょう。

ただ単に「切れる」というならステンレス包丁でも十分切れます。
切れ味とかかりの良さが、高水準で両立しているのが炭素鋼の包丁です。

紙を試し切りしているだけでは、判らないこともあります。

やたらと高番手の砥石で研ぎ上げ、ストロッピングまでして刃を仕上げ、「バターを切っているかのように、滑らかに紙が切れる!」と喜ぶのは、「料理をしない刃物マニアが陥りがちなパターン」ですが、ではその刃が、実際の食材に対しても実用的であるかどうかは、全くの別問題です。

結論:切れ味を最優先したい方には、炭素鋼の10000CCがおすすめ

このランキングでは、錆にくさも評価の一つとしていますが、1位のステンレス包丁である10000CLでも、水滴を付いたまま放置すれば、錆は浮いてきます。
そのため、それほど大きなハンデとはならず、大きく評価を下げるには至りません。

炭素鋼のクラッド材は、注目されることがほとんどなく、食指を動かす人も少ないとは思いますが、包丁の本質的価値は、いかに切れるかです。
これこそが、質実剛健、究極至極、高く評価すべきでしょう。

関孫六10000CCは、炭素鋼の切れ味とステンレス材の耐蝕性をうまく融合させた、「いいとこ取り」の包丁です。
基本的にはハガネの包丁ですので、その価値を理解している人は、何も言わずとも自ずとこれを選択するはずです。
そういう意味では、無理におすすめすることもないかと思いますが、自分で何本も砥石を用意して包丁を研ぐ方、奥深い切れ味を体感したい方にとっては、この一本をオススメしたいところです。

関孫六 10000CC

上の画像は、筆者が実際に愛用している10000CCです。

● 筆者のレビューページ:関孫六 10000CC

10000CCは芯材がハガネですので、砥石にもよくかかります。
砥石の上で滑ることなく、しっかり砥面にかかる鋼材は、食材に対する『刃がかり』も良好です。

逆に、砥石の上でツルツル滑りがちな鋼材は、食材に対しても滑りがちです。

砥石に関しては、語りだすと長くなるので、別ページにまとめました(下記リンク)

● 筆者のレビューページ:月寅次郎が使っている砥石

関孫六10000CC 現在の価格はどのくらい?

関孫六 10000CC (amazon 商品ページ)

関孫六 10000CC (楽天で安い順に検索)

炭素鋼複合材の包丁を使いたいけれど、10000CCだと予算オーバーという場合には、
関孫六の「桃山」と「安土」がおすすめです。
10000CCと同様に炭素鋼複合材で作られた包丁です。こちらのページで詳しく解説しています。

関孫六 桃山と安土は、口金を省くなどしてハンドル部分のコストを落とし、手頃な価格と高度な切れ味を両立させています。
低価格でありがなら切れ味の優れた、コスパの高い包丁です。

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