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セラミック砥石の嘘

最終更新日: 作者:月寅次郎

セラミック砥石

セラミック砥石の嘘 - 目次

  1. セラミック砥石の嘘 (現在のページ)

  2. セラミック砥石、メーカー公式見解 (ページ2)
  3. セラミック砥石、メリット・デメリット (ページ3)

書籍化のお知らせ

多数のご閲覧ありがとうございます。
当サイトのセラミック砥石解説ページ…
 …は、内容を一つにまとめ、「 セラミック砥石の嘘 砥石メーカーが明かしたくない事実」として書籍化いたしました。
それに伴い、当ページは一部の画像・文章を非公開としています。
恐れ入りますが、何卒ご了承のほどよろしくお願いします。
Kindle Unlimitedなら無料で読み放題です。未加入の方でも無料体験期間が使えます)

セラミック砥石とは?

セラミック砥石

セラミック砥石という用語には、本来の定義と、企業方便的な販促用語の、2つの意味合いがあります。

本来の定義

本来セラミック砥石とは、砥石そのものがセラミック組成であるものを指します。

言い方を変えれば、ビトリファイド製法(焼成法・焼結法)で作られた砥石が、セラミック砥石です。
※ ビトリファイドとは、英語の"vitrified"にあたり、「陶化した・ガラス化した・焼き締めた」という意味です。

簡単に言うと、陶器のように焼いて作った砥石がセラミック砥石です。

例を挙げると、松永トイシのキングデラックスや、ナニワ研磨工業の剛研デラックスが、焼成砥石の代表格と言えるでしょう。

いわゆる『赤レンガ』のような砥石がそれにあたりますが、後述の「スエヒロ 黄華」のように、白っぽいセラミック砥石も存在します。

色の違いは、主に使用している砥粒(研磨粒子)によるもので、褐色アルミナ(A砥粒)の砥石は赤レンガ状の色調となり、ホワイトアランダム(WA砥粒)の物は白っぽい色になります。
『あらと君』のように、ピンクアランダム(PA砥粒)の焼成砥石はピンク色をしています。

これらの砥石は、まごうことなきセラミックですので、『セラミック砥石』と呼称しても、何ら問題は生じません。
なぜならば、セラミックとは「無機物を加熱処理して焼き固めた焼結体」を指し、上記の砥石も焼結体そのものだからです。

販促用語としてのセラミック砥石


誠に申し訳ございませんが、この箇所はネット上では非公開としています。

拙著「セラミック砥石の嘘」にてご覧ください。
(非公開部分が多くてスミマセン)

元々はネット版でも、電子書籍版と全く同じ情報を公開していました。

電子書籍に関しては、「ネット版を読んで、『他では読めない良い情報!』と思ったら、投げ銭のつもりで購入してください」というスタンスで、公開・販売をしていました。

しかしながら、そのスタンスでは書籍版が全く売れなかったため、やむを得ず公開範囲を限定し、ネット版の公開部分を一部削除した経緯があります。

また、レビューの中には好意的なものもありますが、一部には「周知の事も多いし、買わなきゃよかったな…。」といったネガティブな投稿もあり、色々と考えさせられるところです。
(他では得られない情報を盛り込んでいるつもりですが、このあたりが理解されないのは、筆者の努力不足なのかもしれません)

ネット版の公開範囲をどこまでにするかは、悩ましいところでもありますが、暫定的に「周知の事」だけとして、独自性のあるコンテンツについては、ネット上では非公開とする方向にしています。

ネット版の読者様に置かれましては、誠に申し訳ありませんが、ご了承のほど何卒よろしくお願い致します。

製造法による砥石の3分類

「ビトリファイド製法」や「マグネシウム製法」など、耳慣れない用語が出てきましたので、ここらで砥石の分類にも言及しておきましょう。
(補足的な説明になりますので、興味のない方は読み飛ばしても構いません)

人造砥石を製造方法で分けると、以下の3つに分類されます
  • ビトリファイド系:焼成して固めた陶器状の砥石(別称セラミック砥石)
  • レジノイド系:熱硬化性樹脂を用い、加熱して固めた砥石(レジン系)
  • マグネシア系:マグネシアセメントで硬化させた砥石(セメント系)
※ 他にも電着ダイヤモンド砥石などの特殊な例もありますが、ここでは割愛します

※ 昔はマグネシア砥石を『●●▲▲砥石』という名称で販売していた時代がありました。
『●●』とあるのは、セメントの反応を利用しているためであり、名称に『▲▲』が入っているのは、▲▲砥石に適正があったためです。

『●●砥石』というと、ナニワ研磨工業の「エビ印 ●●▲▲砥石」が代表的な存在ですが、スエヒロ砥石も『●●▲▲砥石』という名称の製品を販売していた時期があります。
(「●●」という呼び方が先進的な印象を持ち得ていた昭和の高度成長期は、この名称がキャッチーではありましたが、昭和後期に入り、逆にダサく感じられるようになってからは、この名称は廃れていきました)


※ 『●●』と『▲▲』については、書籍版で読むことができます。

セラミック砥石を自称する製品

シャプトン 刃の黒幕

シャプトンが販売している刃の黒幕は、「セラミック砥石」と称して販売されており、砥石表面にも"CERAMIC WHETSTONE" との印字プリントがあります。
("CERAMIC" = セラミック、"WHETSTONE" = 砥石、です)

刃の黒幕は、研磨素材が明らかにされていませんが、わたしが実使用して確認した中では、1000番オレンジと2000番グリーンは、ホワイトアランダム(白色溶融アルミナ)が使用されています。
(すべて確認したわけではありませんが、1000番以上はすべてホワイトアランダム砥粒と思われます)

砥粒の種類は個人的な推測ですが、使用感と色味、顕微鏡観察を踏まえて類推しています。
実際の顕微鏡画像については、以下のページをご参照ください。
荒砥石編(ページ下部に砥石表面の拡大画像があります)

中砥石編(ページ下部に砥石表面の拡大画像があります)

中仕上げ砥石編(ページ下部に砥石表面の拡大画像があります)

ここで着目したいのは、刃の黒幕#@@@@番(敢えて伏せます)にも、セラミック砥石の表記がなされていることです。

◆◆砥粒は、セラミックなのでセラミック砥石!」という理論が通用するのであれば、他社の◆◆砥粒の砥石もセラミック砥石ということになります。

…とすると、ナニワ研磨工業の「□□砥石」も、松永トイシの「★★砥石」も、立派なセラミック砥石ということになってしまいます。

これら2つの砥石は、両方とも昭和の時代からあるロングセラー砥石です。
もちろんこれらは、セラミック砥石と呼ばれてはいません。
ですがシャプトン社の見解を適応すると、このような昔ながらの砥石もセラミック砥石と呼称せざるを得ません

※ 伏せ字については書籍版にてご覧ください。

シャプトン Mシリーズ(M5,M15,M24)


この項目は、そこそこ赤裸々に書いてしまいましたので、ネット版では伏せさせてください。

『大人の配慮』というやつです。

ナニワ研磨工業 超セラミックス砥石


この項目も、ネット版では非公開とします。
(非公開が多くてスイマセン)

セラミック砥石の『嘘』

セラミック砥石の嘘
セラミック
砥石の嘘

砥石メーカーが
明かしたくない事実

この先は、内容を一部非表示としています。
(見出しのみ掲載しています)

すべて閲覧する場合は、電子書籍「セラミック砥石の嘘」にてお読み下さい。

類似ケース:消費者の誤認を誘う、不適切な商品名の例:ダマスカス鋼の呼称問題

メーカーの公式見解については、
次ページのセラミック砥石、メーカーの公式見解は?のページに記載しました。
追記:書籍化にともない、一部の公開を取りやめています。

セラミック砥石のメリットとデメリットについては
次々ページの、セラミック砥石のメリット・デメリットで説明しています(合わせてご覧ください)


砥石 月寅次郎が使っている砥石

わたしが使っている砥石の一覧ページです