互換バッテリー(スマホ、スマウォ)

最終更新日: 作者:月寅次郎
互換バッテリー

互換バッテリーの選び方

vivoactive3 バッテリー交換

筆者はこれまで、スマートフォン、スマートウォッチ、iPod、Walkmanなど、さまざまなモバイル機器のバッテリーを交換してきました。

その経験を踏まえて、互換バッテリーを選ぶポイントをするならば、下記の4点になります。
  1. バッテリー容量がやたらと大きな製品は避ける

  2. 交換マニュアルが付属しており、なおかつ分かりやすい

  3. ブランド・会社が信用に足るか?

  4. 保証が付いているか?
※ 作業用工具が無い人の場合は、付属工具がどれだけ充実しており、なおかつ低品質でないということもポイントの一つです

バッテリー容量の大きな製品は避ける

通常、バッテリー容量は大きい方が望ましいものです
にも関わらず、なぜバッテリー容量の大きな製品は避けた方が良いのでしょうか?

改めて解説してみましょう

まず、スマートフォンに使われているバッテリーは、リチウムイオンバッテリーです(Li-ion電池)
細かく分けるとリチウムイオンバッテリーにもさまざまな種類があるのですが、スマホの場合は正極にコバルト酸リチウムを使用したコバルト系のタイプになります(形状はラミネート型)

これはバッテリーサイズが同じであれば、(よほどの技術革新がない限り)原則として容量もほぼ同じになります

ですので、同一スマホの交換用バッテリーであれば、バッテリー容量も同じであることが普通なのです

ですがここで、バッテリー容量を大きくする裏技があります

一つは、安全面を軽視することです
具体的に言うと、保護回路のプロテクションを緩く設計し、過充電設定電圧をほんの少し引き上げてやるだけで、相対的にたくさんの電気を蓄えることが可能になります

ただこれは例えで言うと、充分膨らんだ風船に対し、さらに息を吹き込むようなもので、危険極まりなく、発火や爆発の可能性も高まるため、消費者の安全を犠牲にしていると言わざるを得ません

安全性と充電可能回数(サイクル寿命)を高めようとすると、どうしてもバッテリー容量を(余裕を持って)低めに設定せざるを得ません
純正バッテリーの方が互換バッテリーよりも容量が低く設定されているのは、こういった安全性重視の姿勢で設計されているからです

逆に、やたらとバッテリー容量の大きな製品は、「安全性が低く、製品寿命も短い」と考えて間違いありません
また、もっと酷い場合は、単なる虚偽表示の場合もあります

交換マニュアルが付属しており、なおかつ分かりやすい

バッテリーに交換マニュアルが付属しており、手順が分かりやすく解説されているというのは重要なポイントです

バッテリー自体はまっとうな製品であったとしても、ユーザー側で交換作業ができなければ意味がありません

また、誤った作業でスマホ自体を破損してしまっては、元も子もありません

マニュアルの優劣は、製品を購入して実際に読んでみなければわかりませんが、下記にポイントを挙げておきます

交換手順マニュアルのポイント
  1. 日本人が文章を書いており、機械翻訳でないか(文意が明瞭か)
  2. 多数の画像を使い、各作業を細かく分けて、説明しているか
  3. 失敗しやすいポイントの明示、失敗した場合の対処の説明があるか
1番の「日本人が書いた文章」は非常に重要です。他国語で書かれたものを機械翻訳した文章は、意味が取れずに作業不能となる場合があります
日本語ネイティブの方が文章を作成(もしくは翻訳)したものであれば、(個々人の技量によって優劣はありますが、)おおよそは大丈夫と言ってよいでしょう

2番については、どこまで細かく説明しているかと言っても良いでしょう
一つの作業につき、一つの画像を付与して説明していれば、おおよそ合格点です

3番について具体的に挙げてみましょう。
DIGIFORCEのマニュアルでは、両面テープを剥がしている最中に、途中で切れてしまった場合の解説があります
具体的には、「ディスプレイを本体から分離し、ヘラを使ってバッテリーを剥がし取る」という手順です
このような、「よくある失敗パターン」の対処まで記載があるようでしたら、充実したマニュアルといえるでしょう

スマホのバッテリー交換作業に習熟しており、独力で作業が可能な方の場合は、この限りではありません

が、「誰にでもわかりやすいマニュアルを作る」というのは、手間と費用と経験が必要であり、決して簡単な作業ではありません

「きちんとしたマニュアルが付属しており、交換手順が誰にでも分かる」ということは、それだけで一定の評価に値します

会社の信用度を(簡単に)確認する

以下の4ポイントを確認すれば、信用に足る業者かどうか一定の判断をすることが可能です

ポイント1:公式サイトが存在する

ポイント2:会社の所在が国内に確認できる

ポイント3:きちんと事務所がある(マンションの一室ではない)

ポイント4:日本語が通じる、日本語が不自然でない

ポイント5:まともな企業・会社組織として、不自然な点はないか
それでは、今回わたしが使用した『DIGIFORCE』を対象として、この4ポイントを確認してみましょう

ポイント1:公式サイトの存在
DIGIFORCE 会社概要

ポイント2:会社の所在
上記の会社概要を見ると、「奈良県奈良市富雄元町2丁目7-25 SSKビル205号」とあり、国内に事務所の存在が確認できます

ポイント3:きちんと事務所がある(マンションの一室ではない)
上記住所を確認したところ、SSKビルは8階建てのマンションで、3~8階が住居用、1~2階は事務所用のスペースであることが判りました。Googleストリートビューで見ると判ります

住居用の階に事務所を構えている場合、少し不信感を抱くところですが、事務所スペースに会社所在地がありますので、この点もクリアです

ポイント4:日本語が不自然でないか?
この点も問題ありません(クリアです)
酷いメーカーになると、明らかに日本語がおかしい状態のままで、amazonで販売していたりします
『言葉としておかしい』ということすら気づかない(わからない)メーカーは、最初から避けた方が無難です
製品に問題なければ良いですが、不良品に当たった場合など、交換や補償等で言葉が通じなくて要領を得ず、困ったことになる場合があります

ポイント5:まともな企業・会社組織として、不自然な点はないか
わたしが見たところ、この点にはいくつかあります

会社概要の役員のところが「リーダーズ」という表記となっており、4名の表記があり、それぞれCEO、COO、CSO、CMOとなっている
わざわざ横文字使わなくても良いだろうにと思う。自分を必要以上に大きく見せたい場合にこの様な手法がよく使われる

会社の代表電話番号と、カスタマーサポートに表示されている電話番号が同じ(取引先と顧客との電話を分離していない。それほどの規模でしかない)

主な取引銀行が「関西みらい銀行トミオ支店」となっており、地銀(地方銀行)である

『奈良県公安委員会 第641160000742号』という表記があるが、これが何の番号かの表示がない
古物商許可証番号であることは、分かる人にはわかるものだが、

日本語が不自然でおかしい例:「IBESTWIN」

バッテリーは電流を四つ方向にわけるなデザインを採用しての電流を有効に使用する上に安全性も保つします。
出品者としては弊社の商品は各お客様の生活に良い体験をもたらすことが望みます。

またはご使用中は何の不明問題がございましたら…

これは本当にそう書かれています。日本人であれば、逆にこのような文章を作ること自体が難しいです

IBESTWINは、公式サイト無し、会社の所在、国内事務所の存在も確認できず、と、全項目でクリアできていません
対応機種は「苹果手机」になっている有様です。苹果手机とはiPhoneのことですが、これではどのiPhoneに対応可能かすら判りません


https://www.amazon.co.jp/dp/B08GX76VXK/

保証内容を確認する

万一不良品に当たった場合、どのような基準で無償交換が可能か、きちんと記載がある製品を選ぶことは重要です

工業品である以上、不良品ゼロはありえません。それはメーカー側もよく理解しています。
この件については、消費者側の理解が不足していることの方が多いです

仮に不良率0.1%であった場合、1万個販売すると10件の不良が発生します(不具合・製品不良は必ず起こり得るのです)

この万一の不具合が発生した場合、製造販売側としてどう対処するかを明記していることが重要なポイントです

整理すると、下記2点が重要になります
  1. 不具合発生時は、どのような対応(補償)がなされるか?
  2. 『不具合』の認定要件を明確にしているか?
この2点を、商品販売ページに記載していないメーカー(業者)は、正直購入を見送るべきです

バッテリーの現物と、スペックの確認

vivoactive3 バッテリー交換
今回購入した新バッテリーです。

AliExpressで購入したKiKiss製のバッテリーです。

バッテリーの他に、工具類と固定用テープが同梱されていました。
(今回、この付属工具は全く使用していません)

このバッテリーは、正直おすすめしません。
後で詳細を明かしますが、純正バッテリーと同容量のvivoactive3互換バッテリーを購入した方が良いです。

vivoactive3 バッテリー交換

右側が、Garmin vivoactive3に装着されていた、純正バッテリーです。
品番:361-00108-00
電圧:3.85V
容量:160mAh
電力量:0.6Wh
種類:Li-ion(リチウムイオン充電池)

左側が、新バッテリー(Kikiss製)
電圧:3.8V
容量:450mAh ※
電力量:不明
種類:Li-Po(リチウムポリマー充電池)

新旧2つのバッテリーを横に並べているのは、バッテリーサイズ、リード線の長さ、端子形状などを確認しています。

互換バッテリーとして販売されてはいましたが、微妙なサイズ違いなどがあるやもしれません。
ここも、よく見て、よく確認します。

リード線の長さが大幅に異なるのは、一つのマイナスポイントですが、この程度であれば、曲げて押し込めば、なんとかなるのではないかと判断し、次に進みます。
(実際は収まりが悪く、後述のように一度やり直しています)

※ Kikissの公称値として、容量450mAhの記載がありましたが、実に怪しいです。
同容積で約2.8倍のエネルギー密度というのは、物理的にあり得ないからです。
(あまりに嘘くさいので、興味半分、人柱半分で購入してみました)


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