上の画像は、
筆者が実際に使っている、お気に入りの計量スプーンです。
樹脂製の安い計量スプーンですが、これが実に使いやすく、手放せない存在となっています。
このページでは、この計量スプーンのどこがそんなに良かったのか、メリットとデメリットを探ってみたいと思います。
(一読すれば、自分に合った計量スプーンの選び方がわかります)
この計量スプーン、どこが良いのか?
この計量スプーンのメリットは…、
-
1本で5つの計量が可能、パスタ1人分も
-
底面が平らなので、置いたままでも計量可能
-
すくいやすいスプーン型
…ということになっています。
メーカーの宣伝文句では、そうなっていますが、
実際に料理を作る上では、さらに重要なメリットがあります。
それは、
鍋のフチに引っ掛けた状態で、安定して置けるということです。
置いた後で滑っていって、鍋の底に沈没しないのです。
鍋の縁に掛けられる、滑り落ちて沈没しない

上の画像のように、
鍋の縁に引っ掛けて、計量スプーンを『一時待機』させることができます。
計量する調味料が1種類のみであれば、この機能はさして意味を持ちえません。
ですが、
酒→ 酢→ 醤油と、続けて投入する場合は、大きなメリットとなります。
瓶を出して、蓋を開けたり締めたりする間、鍋に引っ掛けて置けるからです。
ちなみに上の画像は、山芋鉄板を作るために、白だしを計って投入したところです。
菜箸を使うと洗い物が増えるので、この時はこのまま計量スプーンを使い、材料を混ぜ合わせました。
山芋鉄板の作り方は下のリンク先で紹介しています。
家庭でも作りやすいように、オーブンを使わずにフライパンで焼く方法です。
● 山芋鉄板のレシピ

「
鍋の縁に引っかけた状態で安定し、鍋の中に滑り落ちない」というのは、素晴らしいメリットです。
商品説明には書かれていませんので、
製造メーカー側も気づいていないものと思われます。
この鍋は?
上の画像の四角い鍋は、キャプテンスタッグのラーメンクッカーです。
キャプテンスタッグは、大手鍋メーカーのパール金属の自社ブランドで、キャンプ・レジャー用品を主力としています。
本来はキャンプ用のコッヘルですが、角型ですので液体を注ぐ時に垂れにくいのが特徴です。
取っ手が畳めるので収納力が高く、そのまま冷蔵庫にも収まるサイズ
(筆者が最も多用している小鍋は、実はこれだったりします。とても気に入っているので、鍋つまみを黒檀の天然木で自作したり、固定用のネジを腐食しにくいものに交換したりしています)
● キャプテンスタッグ ラーメンクッカー
● ラーメンクッカー 改造1(鍋つまみネジ交換)
● ラーメンクッカー 改造3(自作鍋つまみ)

これは、割り下を作っているところです。
こうやって
斜めに立てかけておけば、液体のほぼ全量が、自重で流れ落ちます。
雫が落ちるまでずっと手で持っていたり、振って落とそうとしなくてもいいのです。流れ落ちる間は、他の作業をすれば時短に繋がります。
料理酒など、サラサラ系の液体はさほど違いが出ませんが、オリーブオイルなどの粘性のある液体の場合に効果的です。
※ 寸胴のような高さのある鍋ですと、スプーンの先が鍋底に届かないため、鍋の縁に引っ掛けられない場合があります(お気をつけください)
この鍋は?
宮崎製作所の十得鍋です。
前述のラーメンクッカーよりも高さがありますが、それでも引っかけられて、滑り落ちません。
重ねて収納できて、取っ手も無いため、狭い台所で活躍してくれる、ありがたい鍋です。
また、縁の無い構造のため、洗いやすいというのもメリットです。
(鍋蓋は兼用になっているため、縁が段々しています)
鍋だけでなく、もちろんボウルでもOKです。
縁に引っ掛けて『一時待機』させておけば、計量スプーンの置き場所にも困りません。
鍋に立てかけたスプーンが、ずるずると滑って鍋の中に沈むこともありません。
計量スプーンの『鍋底沈没』は、本当に嫌なものです。
(一般的なステンレス製の計量スプーンは、よく『鍋底沈没』します)
持ち手まで調味料がべったり付いた計量スプーンを、菜箸でつまみ上げた経験がある方なら、判ると思います。
底が平らなので、置いた状態で注げる・計れる

底面の形状は、このように平です。
平らな部分の面積が大きめで、平置きした状態でもしっかり安定します。

こちらは、粉ゼラチンを計量しているところです。
このような粉末状のものだけでなく、
醤油などの液体も、置いた状態で注いで計量することができます。
一升瓶のように、片手では注ぎにくく、両手で扱わないとこぼしそうなものを計る際や、鍋へ投入する前に、一旦どこかに置いておきたい場合に役に立ちます。
一般的なスプーン型ですと、計った後は、鍋へ入れるか、そのまま持っているか、別の容器に移すかの3択しかありません。
この平底型は、計った後にそのまま置いておくことができます。
「炒め料理の仕上げに、鍋肌から醤油を一回しする」とか、「ステーキの仕上げにブランデーでフランベする」といった、タイミングが重要な料理の場合に、
必要な量を事前に計っておいて、そのまま置いておくことができるというのがメリットです。
(大さじ1杯以内という縛りは入りますが…)
先が尖ったスプーン形状
この計量スプーンは、
先が尖っており、塩や砂糖を掬いやすい形状となっています。
(容器の底の、残り少なくなった塩をかき集めてすくう場合などに、このメリットが活きてきます)
細かいことかもしれませんが、この形状は、
液体計量時に、元のビンに戻すこともできます。
一般的な計量スプーンは、計量部が円形状のものが多く、スプーンから瓶に戻そうとすると、たいてい横からこぼれます。
(そもそも、戻すことを考えてデザインされていません)
元に戻すといっても、それは、「大さじ1/2を量ろうとして、内側の線より多めに入ってしまった場合」くらいしかないのですが、
できるとできないでは、できた方が良いに越したことはありません。
この計量スプーンは、先端が細身で尖っているため、ビンに戻すことも難しくないのです。
一旦ビンから出したものを元に戻すというのは、本来ならばやらない方が良いです。
(衛生上の理由です)
痛む可能性があったり、足の早い調味料の場合は止めた方が良いですが、ある程度塩分があるものや、アルコールが入っているものなど、開封後も常温保管可能なものであれば、極端に気にする必要もありません。
(食品工場や仕出し弁当、外食産業の現場であれば禁忌ですが、一般家庭での調理であれば、自己判断でよいかと思います)
真ん中の穴はパスタ1人前
スプーン中央の穴は、パスタの計量に使えます。
パスタを穴に通して計るのですが、この
穴に収まるのが一人前のパスタの量となります。
(厳密には「太さ1.6mm、長さ245mmのスパゲッティが無理なく通過する量が、およそ100g」…となっています)
パスタを作り慣れていない人にとっては、なかなか役に立つ機能です。
パスタの計量について
普段からパスタを作り慣れていると、おおよそ100gの量は、指の感覚で計れるようになります。
(筆者は親指と人差し指で丸を作り、その太さの感覚で、一人前のパスタ量を計っています)
慣れない人にとっては、どのくらいの太さが100gなのか判りづらいと思いますが、この計量スプーンで100gを計った後に、指で握りなおすことを繰り返していれば、次第に指の感覚でわかるようになりますので、わざわざ計らなくても大丈夫になります。
「感覚で判るようになった!」と思っても、たまには計測し直してみたほうが良いです。太ったり痩せたりして、指の太さが変わってくると、また感覚も変わってきます。
販売終了だが、他社に同品あり
メーカー:マーナ
商品名:スミまですくえる計量スプーン
筆者が使っているのは「マーナ」の製品ですが、
残念ながら製造終了となったもようで、現在では入手困難です。
ですが、他メーカーから全く同じ形状の製品が販売されています。
メーカー:ハンズ(旧東急ハンズ)
商品名:ハンズオリジナル 一体型計量スプーン
ハンズの一体型計量スプーンは、
色は異なるものの、製品自体は全く同じものです。
「大さじ 15cc」「小さじ5cc」「パスタ1人分 / 約100g」といった、文字の字体まで同じです。
(下の画像の商品です。左に実売価格が表示されない場合は、広告ブロッカーをOFFにしてみてください)
(amazonでは、メーカー名「HO」と表記されていますが、これは恐らく「ハンズオリジナル」の頭文字だと思われます)
ハンズオリジナル品のデメリット
この製品の残念な点は、カラーが黒色だということです。
醤油やオイスターソースを量る場合に、同系色となって判りづらいのです。
料理酒や白ワインなど、透明な液体を量る時も同様です。
マーナ製はオレンジ色で、醤油を入れた場合にコントラストがはっきりして見やすいのが一つのメリットでもありました。
黒色の計量スプーンは、色的に少々残念ではあります。
砂糖や塩を量る場合は逆に見やすいですので、砂糖や塩のストッカーに入れっぱなしにして、専用スプーンとして使うというのは良い使い方だと思います。
(そのために、あえて黒色にしているのかもしれません)
ハンズオリジナル 一体型計量スプーン - 買うならこちら
売れ筋の計量スプーン、3種類の解説については、
● 計量スプーンのおすすめ のページをご覧ください。
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ナガオ 極厚ダブル計量スプーン
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パール金属 Softia 置いて量れる計量スプーン
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貝印 KAI 計量スプーン SELECT100
…という売れ筋の3商品を取り上げて、メリットをデメリットを比較してみました。
どの商品にも一長一短がありますが、一読することで、自分に最適な計量スプーンを選べるようになるはずです。
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