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おすすめ包丁(選定の理由、根拠は何か?)

最終更新日: 作者:月寅次郎

おすすめの包丁、選定の理由

包丁・おすすめ

今回選定した「おすすめ包丁」のブランドをよく見ると、Misonoと堺孝行、そして関孫六が多いことに気付かされます
唯一の例外が、下村産業の「村斗」です

次点として、藤次郎や有次、杉本の包丁も入ってはいますが、これらは「Misono、堺孝行、関孫六」の三つだけだと、あまりにも面白くないので、無理やり突っ込んだ感も、無きにしもあらずです

このページでは、なぜ「Misono、堺孝行、関孫六」を3ブランドを推すことになったのか? …について説明します

おすすめ包丁(月寅次郎決定版) - 目次

  1. プロ用高級包丁 (刃渡りの長い牛刀で、華麗に切り分けよう)

  2. 料理好き玄人用包丁 (玄人はだしの人のために)

  3. 家庭用・三徳包丁 (1本で済ませるならコレ!)

  4. 低価格で高い切れ味の包丁 (予算が少ないが、切れ味に妥協したくない場合)

  5. 炭素鋼の包丁(究極の切れ味) (突き詰めると、ここに行き着く)

  6. 2本目の包丁(買い足すと便利) (靭性の高い鋼材の妙味!)

  7. 「選外」の理由 (人気ありますが、おすすめはしません)

  8. 「選定」の理由 (現在のページ)

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MISONOと堺孝行をおすすめした理由

自社製造しているから

包丁にはさまざまな「老舗ブランド」があります
関東の有名どころとしては、築地正本正本総本店杉本日本橋木屋かね惣合羽橋鍔屋などが挙げられます
関西(堺と京都)では、堺刀司堺一文字光秀有次などの名が上がります

今回の「おすすめ包丁(決定版)」では、これらのブランドを全面的に推してはいません(有次の平常一品、杉本のSHMを「次点」として挙げたにとどまります。物は良いですので、価格と勘案して納得できる方のみ買えば良いと思います)

一方では、「プロ用高級包丁」と、「炭素鋼のおすすめ包丁」の2部門で、MISONOと堺孝行を推しています
なぜこの2社を推したかというと、それは、確実に自社製造しているからです

老舗包丁ブランドには、製造を他社に依頼し、あたかも自分が作ったかのような顔をして販売しているブランドが多々あります (「刻印」は製造側に預けて押印させています)

それらのブランドは、たとえ老舗で有名だったとしても「メーカー」とは言えません。あえて言うなら「自社ブランド化した包丁専門店」です

MISONO(ミソノ)という包丁メーカー

わたしがミソノを推すのは、品質は高いにも関わらず、このような老舗ブランドのデメリットが皆無な点です

上に挙げた「老舗ブランドが販売している洋包丁」のなかには、「どう見てもMISONO製」の製品もあったりします。これは実際によくあることで、わたしの所有している日本橋木屋のスウェーデン鋼牛刀は、裏面にMISONOの刻印があります

ちなみに「MISONO」は、他社に包丁をOEM供給できる程の技術力と生産力があり、岐阜県関市に工場を兼ねた本社を構えています
立地は、すぐ横にゴルフコースがあるほどの、良くいえば郊外、悪く言えばド田舎です
また、ミソノの公式ページは、今時珍しいほどシンプルで、全くお金がかかっていません

これが何を意味するかと言うと、
包丁の中身と品質以外には、余計なコストがほとんどかかっていない」ということなのです(ブランド力ではなく、中身で勝負の包丁と言えるのです)

また、ミソノの高い品質を、老舗包丁ブランドが認めているということでもあります。(でなければ、ミソノに委託製造した包丁に、自社ブランドの銘を押して販売することはありません)

堺孝行(青木刃物製作所)

堺孝行」は、会社名ではなくブランド名ですが、堺市に所在がある「青木刃物製作所」の商標です

冒頭で挙げたように、包丁の世界には、「東の正本、西の有次」といった、老舗ブランドが多数存在します
その多くが、堺や関の工場に製造を依頼し、自身では販売とアフターサービスを行っているのみです(刃付け、柄付け、名入れ、研ぎ直し、修理など)
これらのブランドのアフターサービスについては、本当に「神対応」としか言いようがありません。親切丁寧で、実に素晴らしいです

なぜそんなに素晴らしいかというと、元々の商品価格が高いためです
要は、「包丁の価格そのものに、神対応代金が含まれている」と言っても過言ではありません(ブランドとはそういうものです。でなければ、採算が取れません)

直販が最良とは申しませんが、商売の常として、卸や問屋など、多数のチャネルを通せば通すほど販売価格は高くならざるを得ません。それぞれの主体が利益を上乗せするからです
さらにブランド維持費用も上乗せされ、結果としてやたらと高い価格の包丁ができあがります

老舗包丁ブランドは、どこも一等地に店舗を構えています
木屋は日本橋、杉本は築地、かね惣は浅草、有次は京都市の錦市場商店街という極めて地価の高いエリアに店舗があるのです。後述の「グローバル」は、老舗ではありませんが六本木にショールームを構えています

方向性に、高級志向か、プロ・職人志向かなどの若干の違いはありますが、土地代、テナント代が国内トップクラスであることに変わりはなく、接客クオリティも超一流です

どんな事でも淀みなく答えられる接客のプロの人件費、豪勢なショールームの管理維持費、立派なホームページの開発運営費などが積み重なってブランド代となり、すべて包丁の製品価格に乗っているのです

価格が高額な包丁は、「高い分だけ素晴らしい」と消費者が勘違いする場合がありますが、これらのブランド代や、流通における「中抜き」も加わって高額になっている場合も多々あります

高い方が箔が付いて良いという成金趣味の方もおられると思いますが、賢い買い物をしたい場合は、自社製造の包丁を選ぶ方がおすすめです

なお、自社製造と言っても、地方の鍛冶屋などでは、自分でハガネを鍛えて包丁を製造している小規模業者も多数ありますが、これらは規模が小さすぎてスケールメリットが出せず、そのため価格も高額になりがちです

鉄は打てても溶接技術を持っていないため、「和包丁の柄付け」しかできず、一体口金が造れない鍛冶屋も多いです
とはいえ、この現代に個人で鍛冶屋をやっているというのは、それだけで非常に素晴らしいことです。個人的に応援したい場合は、そのような小規模の鍛冶屋さんから購入してあげてください

硬度で勝負するタイプの包丁とは異なる

ミソノのUX10はHRC60~59、堺孝行のグランドシェフはHRC58程度だと言われています
刃の硬度でいうと、それほど高い方ではありません
より硬度の高い包丁は、いくらでもあります

硬度と靭性、刃の厚みのトータルバランスが優れています
これらは、バランスで考えた時に、最も使いやすい塩梅になっており、よく判っている包丁です

理念で作り、信頼で売るモデル

外観訴求力で売っているモデルではありません

「最も優れた包丁とは、どういうものか?」を突き詰めて生み出された包丁であり、「最も顧客の目を引く包丁」や「消費者の財布の紐を最も緩くるす包丁」でもない「包丁の素人をだまくらかして買わせるための包丁」でもない

マーケティングで作り、外観と数字マジックで売るモデルとはわけが違います

※ 堺孝行には、売るための包丁もあります

関孫六がおすすめの理由

当ページのおすすめ包丁の中には、貝印の「関孫六」が多数登場しています
おすすめ包丁 決定版」と銘打ちましたので、「関孫六」一辺倒になってはいけないとも思ったのですが、蓋を開けてみたら関孫六を5本も取り上げているありさまです

改めて、関孫六のどこが良いのか、簡単に説明しておきましょう

スケールメリットの強さ

関孫六(貝印)の最大の強みは、スケールメリットを強力に出せることです
これに関しては、他社の追従を許していません。完全にトップです
ツヴィリングなどは、後塵を拝しているありさまです(昔はそうではなかったんですけどね)

国内最大の刃物会社であり、世界的に見てもトップクラスであるため、一度に大量の包丁を作ることができるのです

このため、同じ鋼材で同一構成の包丁を作っても、他社より安くすることが可能です
まとめて大量に製造することで、一本あたりのコストを抑えています。なおかつ大量に販売することで、一本あたりの利益が少なくても、充分商売として成立しています
簡単に言うと「コスパが良い」ということになります。これに尽きます
「競合他社が潰れてしまうのではないか?」と、余計な心配をしたくなるくらい、コスパが良いです
(念の為に書いておきますが、技術力もトップです)

包丁の本質を決して外さない

マニアも頷く鋼材の選択
基本的にバランスの良い鋼材を選択しています。むやみに硬い鋼材などは敢えて避け、採用していません ツヴィリングとは対象的ですらあります
このあたりは実際に使う人のことを考えた設計となっていて、MISONOと同様に包丁の本質を外さない製品づくりをしています
硬さだけではなく、研ぎやすさと刃こぼれのしにくさも重要な要素であると考えていることが、製品から伝わってきます

他にも、ラインナップが豊富であるとか、店頭陳列率とブランド認知度が、共にトップクラスであるとか、いろいろ挙げることができますが、長くなりますので割愛します

詳しくは、関孫六・旬(貝印)- 包丁ブランドの解説 をご覧ください

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