オピネル分解6 - ピンを代用品で作り直す


オピネルのカシメピンを、代用品で作り直してみました

作業対象は、オピネルの「フィレナイフ」です

カシメピンの代用品として、何が使えそうか?

ステンレスの丸棒を切断して使うのが最適だと思うのですが、どこにでも売っている素材ではなく、やや入手が面倒です
は入手もしやすく、使いやすい素材だと考え、これを第一候補として探してみました

JIS規格を調べてみたところ、釘の胴部の外径サイズは、2.45mm、2.75mm、3.05mm等がありました。わたしのオピネルのピンは、実測で「外径2.65mm」でしたので、2.75mmの釘を入手して、外径を0.1mm削れば使えそうです(受け側が木材なので、この程度の差異であれば、削らなくても叩き込めば入る可能性は高いと思います)

早速amazonで、胴部外径2.75mmのステンレス釘を探してみましたが、残念ながら、100本入りなどの業務用箱入り品しか見つかりません
ホームセンターでは、ステンレス釘は置いてあるのですが、2.75mmという大きめのサイズは店頭になく、残念ながら入手できませんでした

鉄釘などを使用しますと、錆が出て木肌に食い込み、固着して外れなくなることがあります。真鍮やステンレスなど、耐蝕性のある素材を推奨します

ピンの代用品として、真鍮製の洋折釘を使用

オピネルのピンの代用
ホームセンター内をいろいろ探し回り、なんとか使えそうなものとして、真鍮製の洋折釘を見つけました
外径3.0mmであり、本来探していたサイズではありませんが、削ればなんとか使えそうです


真鍮は、ステンレスほどの強度はありませんが、ナイフのピンとしてもよく使用される素材です。切削研磨やサイズ合わせの加工のことを考えると、真鍮のほうが作業的に楽になります
フィレナイフという用途を考慮すると、叩き切ったりすることはありませんので、真鍮でも強度的に充分と判断し、これを採用することにしました

後でわかったのですが、購入した28mmサイズのものよりも、一つ小さな25mmというサイズがあり、そちらは外径2.8mmで、(わたしのオピネルの)現物ピンにより近いサイズでした
今回は、残念ながら入手することができませんでしたが、25mmサイズの方が削る量が少なく済み、最適サイズだったと思います



代用品を切って削り、オピネル純正ピンと同サイズにする

オピネルのピンを削り出して制作する

さて、この洋折釘を、どのようにしてオピネルのピンに加工するかですが
わたしのやった方法は、以下のようなものです
  1. L字型に曲がった先端の不要部分を、ニッパーで切り取る
  2. ネジ溝の部分を、ドリルのチャック部分に咥えさせる
  3. ドリルの電源を入れ、ピンを回転させた状態で、耐水ペーパーに押し当て、研磨する
  4. 時折ノギスを当てて計測を行い、全体的に偏りなく削れているかどうかを確認
  5. 現物のピンサイズと同等の外径になったら、研磨を終了
  6. ネジ側の不要部分をニッパーで切り取り、適切な長さにする
  7. ピンの両端をヤスリで削って角を落とし、滑らかな形状に整える

ピンを削り出す際の注意

完成したオピネルのピン
画像は、完成したピンをリングに仮組みした状態です
下にある少し曲がって見えるピンは、両端を削り落として抜き取った純正のピンです

ピンの切削成形時に、留意すべきことを列挙しておきます
  • 当てゴムなど使って削っていても、全体にまんべんなく同じ太さに削るのはなかなか難しく、どうしても先端が細くなりやすいです(気をつけましょう)

  • ピンが細すぎると遊びが大きくなり、ガタが出ますし、太すぎると叩き込みに苦労したり、ハンドル側の木材を痛めてしまいます

  • こういう作業は精度が重要です。ノギスを使用して正確に計測し、現物のピンと同じ外径サイズに仕上げましょう

  • ピンの先端をきれいに面取りして、滑らかなアールを付けておくことで、ピンの圧入がスムーズに行えます

  • ピンの長さは余裕を持たせて切断し、一旦オピネルに仮組みした後、現物合わせで削り出し、最適な長さに調整すると良いと思います

今回は、真鍮の外径を0.3mm削っただけですが、電動ドリルを使用しても、そこそこ時間のかかる作業です。 決して簡単な作業ではありませんので、時間的に余裕を持って、ゆっくり丁寧にやりましょう


完成したカシメピンを、オピネルに組み付ける

オピネルのピンを作り直し、装着した状態
制作した代用ピンで、組み上げた状態です
なかなかの精度が出ており、納得のいく仕上りとなりました

組み立て後の確認作業としては、ブレードがスムーズに出し入れ可能か、ガタつきが無いか、スカスカになっていないか、節度のある抵抗感が出ているか、などを確かめてみました
純正のピンと変わらない作動感が出ており、満足できる完成度となっています

首尾よく仕上がるか、やってみるまでは少し不安でしたが、上出来だと言ってよいでしょう

補足:ニッパーは刃厚のあるものを

強力ニッパーとプラ用ニッパー
文中で「ニッパーで(不要な部分を)切り取る」と書いていますが、ニッパーにもいろいろあり、どれでも良いわけではありません
3Φの硬線を切断可能な、刃厚のある強力ニッパーを使用する必要があります(画像上)

画像下のニッパーは、プラスチックや細い針金の切断用で、刃が薄いため、太めの金属棒の切断には向いていません(刃が負けます)

ニッパーではなく、金切鋸(金属用のノコギリ)を使用すれば、より確実に、ジャストサイズの切断が可能です
3mm外径の真鍮は、ニッパーでも切断可能でしたが、強度と耐摩耗性を重視するなどで、ステンレス素材でピンを作る場合は、金切鋸の方が楽で確実だと思います


オピネル分解:詳細ページ一覧(1~6)

 オピネル分解 1:必要工具と準備作業

 オピネル分解 2:ロックリングの取り外し

 オピネル分解 3:ピンの頭を削って叩き出す

 オピネル分解 4:ピンを抜いて、ブレードを外す

 オピネル分解 5:分解完了、ピンの外径と分解時の注意

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