ブライトホルン登山後記6(山の情報収集)


ブライトホルン登山後記6(山の情報収集)

登山に赴く前に、山の情報を事前に収集しておくことは重要です

今回は、ツェルマットのキャンプ場「キャンピング・マッターホルン」に滞在した際、日本人の登山者の方から直近の山の情報を教えていただく機会に恵まれ、非常に助かりました

山の情報収集(その時のコンディションやルート状況など)

ツェルマットのキャンプ場
ウォーカーズ・オートルートを歩き終え、ツェルマットのキャンプ場にたどり着くと、幾人かの日本人パーティの方がおられました
その方たちは、肌が雪焼けで黒くなっており、相当の高度で登攀していたことが一目で判りました
厚みのある肉を豪勢に焼いていて、非常に楽しそうにしておられたので、声をかけてみるとマッターホルンに登頂して、降りてきたばかりとのことでした

ブライトホルンには、マッターホルンに備えて高所順化するため、数日前に登ったばかりだと言います
いろいろとお話を伺ってみると、(その時点の状況では)「トレースがしっかり付いていて安定しており、良いコンディションとのことでした
(充分な登山経験があれば)「ルートは自ずと判るし、分かりやすい」とも言っていました

翌日、地図を片手に改めてお伺いして、クライン・マッターホルンからブライトホルン直下までのコース取りや、取り付き点以降のルートの様子を詳しく聞かせていただきました

現地でお会いした山好きの皆様へ
あの節は、貴重な情報を教えていただきありがとうございました。

おかげさまでブライトホルンに登頂し、無事に下山することができました。 この場を借りて御礼申し上げます。

このように、わたしはかなりラッキーな形で、直近の山の状態について情報を得る事ができました
このように恵まれたケースはなかなかないのではないかと思いますが、そのような場合は、登山用品店をレンタル目的で訪問した際に、尋ねてみるのも良いかと思います
山の状態については、おおよそ把握していることと思いますし、店員さんがただの売り子さんであって、山岳情報を把握していない場合でも、どこの誰に尋ねれば、情報を得られるのかくらいは教えてくれると思います

あとは、ツェルマット駅にある観光情報センターあたりでしょうか?
山の専門的な情報が得られるとは思いませんが、どこに問い合わせれば情報が得られるかということは教えて頂けると思います

情報端末やスマホを使用して自分で調べる場合は、駅前広場がWifiが使用可能で、ベンチもあって便利です

ツェルマットの駅前広場
駅前広場の様子です、画像の「i」の看板の奥に、駅の観光案内(インフォメーションセンター)があります

なお、個人でガイドを雇ったり、ガイド付きの登山ツアーで登ろうという場合は、ガイドが情報を持っていますのでそれほど困ることは無いと思います
ただその場合でも、最低限の情報は自分で把握しておきましょう

方角と地形、周辺の主な山の位置関係を把握しておくだけで、自分のいる位置や向かっている方向が分かりやすくなります

山頂まであとどれくらいかかりそうなのか、自分でおおよその判断ができるだけでも、精神的な負担は大きく異なります
体力的な負荷がかかる箇所、危険なエリアを把握しておくだけで、気持ちの緊張と弛緩のコントロールがやりやすくなり、楽に登ることができます

何もわからずにただ登っているだけだと、「坂道を、ただ苦しい思いをして登っただけ」になりかねません
事前に様々な情報を頭に入れておくことで、より楽に、楽しみながら登ることができます
危険を避けて安全に登れるだけでなく、登山から、より多くの喜びを得ることができるのです

自分では何も考えず、判断もせず、ただただガイドや引率者についていくだけの方は、そもそも登山に向いていません。また、そのような姿勢で登山に望むと、何かあった場合の遭難の確率を高めてしまいます

今回は、コンディションが良好の日に登る事ができましたが、山の状態はその時その時によって大きく異なります
ブライトホルンは危険箇所が少なく、全体的に安定して登りやすい山だとは思いますが、気温が高い状態が続いた場合、クレバスが出たり、雪面の状態が悪化することもあります

気象条件が悪化してホワイトアウトとなり、トレースが雪に埋もれた場合は、進退窮まって、安全な場所まで戻れなくなる可能性もあります

その時その時の情報をきちんと把握し、安全に登れる確証が得られない場合は、登山を中止して下さい
気象状況が悪い時や、ルートが安定していない状態で登っても、楽しくないですし、危険なだけです

ブライトホルンは、「4000m級の山の中では、比較的登りやすい」と言われますが、それはあくまでも「他の4000m級の山と比べた場合」でしかなく、4000m級の山であることに変わりありません

当日の体調、天候、ルート状況、同伴者の状態、登山装備など、すべてがOKでなけれれば、登頂を開始すべきではありません



このページでは、山に関する情報収集について解説いたしました
情報端末を駆使して情報を集めるのも重要ですが、やはりなんと言ってもコミュニケーション能力(英語力)は重要です
次のページでは、ブライトホルンも含めて、スイスの山に登る際の必要な語学力(英語力)について解説します

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