G・サカイ - ナイフだけではない
著名なナイフメーカーである
『スパイダルコ』のOEM生産もやっているG・サカイ。
元々はナイフを作ってる会社だが、その技術を活かし、「
空シリーズ」などの包丁も作っている。
ただ、包丁方面では知名度が今ひとつであり、あまり知られてはいない。
ナイフ製造がバックボーンにあるためか、包丁の鋼材を明記している。
こういったところは、他の包丁メーカーも見習ってもらいたい。
Gサカイの包丁を見てみよう
グレステン(ホンマ科学)
身離れの良い、ディンプル加工が特徴。
あまり一般消費者受けはしていないものの、
プロの料理人さんが使っているのをたまに見かける。
「見た目とかより、どれだけの仕事ができるかなんですよ」という、洋食系の仕事人に受けが良い印象。
どうやったら包丁が売れるか、ではなく、「理想の包丁とはどういうものか?」という視点で考えている硬派な会社
「古より包丁を作り続けて何百年…」といった、刃物の町に生まれた伝統ある会社というわけではないので、そこが逆に作用して、柔軟な発想の物造りに繋がっているのかもしれない。
ミソノと同じく、ホームページの構成がクラシカル。
どうにかして売ってやろうという姿勢が見えないところは、逆に好感が持てる。
こういう、
職人層からの一定の評価を得ているメーカーは、一般消費者向けに「売ろう、売ろう」と躍起になる必要がないわけだ。
ペティナイフは独特の形状だが、これは、「まな板の上で切る」という固定観念の強い、日本の包丁文化によるものだろう。
確かにこの形状だと、刃筋からの高さが稼げるので、握る手指とまな板とのクリアランスが大きく取れる(要は、打ち物用として作ってある)
だが一方で、ペティナイフはパーリングナイフという側面も持つので、「剥きもの用包丁」として考えた場合には、この独特の形状を使いにくく感じる人もいるだろう(と思う)
グレステンの包丁を見てみよう
MAC(マック)
名前だけ聞くとアメリカの会社と誤解を受けそうだが、れっきとした日本の会社
国内市場においては、名前(ブランド名)で損をしている感がある
(パソコンの『マック』や、工具の『MAC』とは無関係)
本社は堺、工場は関に所在があり、歴史も長い(1965年に包丁メーカーとして独立とある)
マツコの知らない世界で「チーズ・バターナイフ」が紹介されて、知名度が上った
MACの創業者が若かりし頃、調理の経験を通じて「包丁の先端が尖っていることを不思議に感じ、丸くても不自由はない」と感じたことから、「オリジナルシリーズ」は刃の先端が丸い形状になっている(だからといって、子ども用の包丁ではない)
真久作スーペリアシリーズなどは、
洋包丁だが半片刃に仕上げられており、結構マニアックな刃付け(左利きの方は要注意)
一般消費者に媚を売るような外観重視の包丁は一切なく、どちらかというと仕事で調理に従事する人向けに作ってある印象
なにげに和包丁も取り扱っており、○○真久作の銘で
白紙2号の霞(合わせ)と、
銀三の和包丁を一揃い販売している、種類は限られているものの、
銀巻黒檀柄の「本焼き」まである
このあたりは、堺の刃物会社らしさが垣間見える。地場の職人と繋がりがあるのだろう。
MACの包丁を見てみよう
関虎徹・虎徹(安田刃物)
虎徹は青紙2号を使った炭素鋼複合材、切刃はハガネだが側面はステンレスで錆びにくいという構成
関虎徹はVG10を使いながら、上手にコストを落としてリーズナブルな価格に仕上げてある
包丁の使用鋼材を明示している点は、買う方からするとありがたいし評価したい
今時珍しい
「背通し」の包丁が多いが、このあたりは
使い勝手にあまり影響を及ぼさない、上手なコストダウン
槌目をあしらった包丁も販売してはいるものの、これ見がよがしな槌目ではないところに好感が持てる。
派手に槌目を入れてある包丁は、刃厚を厚めにせざるを得ないので、あまり好ましくない
包丁の本質を軽視するところほど、派手に槌目を入れて外観で売ろうとしてくるもの
規模は小さいながらも、奇をてらった商品が少なく、真面目に造ってる感じが伝わってくる。
小規模刃物メーカーは、Web上のマーケティングが下手な会社が多いものだが、ここは「
安田刃物 楽天公式市場店」まで構えて、直販体勢を敷いている。
このあたりは、販売戦略も含めて、それなりにマーケティングに力を入れている感じがある。
安田刃物の包丁を見てみよう
京セラ
包丁の世界では、セラミック包丁と研ぎ器(包丁シャープナー)で有名。
セラミックの技術を活かして包丁を作っている
セラミック素材は金属では真似のできない硬度が出せるが、その分靭性が低くなるので包丁としてはいささか扱いにくい(耐衝撃に弱く、折れや刃欠けの懸念がある)
稲盛和夫氏が起こした会社であり、一言では言い表しにくい、凄い会社。
昔はレコードプレーヤまで作っていた。
京セラの包丁を見てみよう
その他の包丁ブランド - 目次
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包丁のブランド(メーカー)について
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関孫六・旬(貝印)
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ヘンケルス Henckels
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ツヴィリング Zwilling
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グローバル(吉田金属)
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藤次郎
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ヴェルダン(下村工業)
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ビクトリノックス Victorinox
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Misono
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ギャラクシー(ダイソー・100均)
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Gサカイ
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グレステン(ホンマ科学)
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MAC(マック)
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関虎徹(安田刃物)
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京セラ
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KASUMI(スミカマ)
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ヤクセル
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パール金属
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ヴォストフ Wusthof
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オピネル Opinel
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ティファール T-fal
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マイヤー Meyer
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アムウェイ Amway
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スーパーストーンバリア包丁
※ 当ページに書かれているのは、あくまで刃物好きの包丁マニアとしての、個人的な印象です(絶対的なものではありません)
人の価値観はそれそれです
自動車の世界でも、エアロパーツをゴテゴテ装着して車高を極端に落とした車を、「かっこいい」と思って乗っている人がいる一方で、「恥ずかしい・みっともない」と思う人も存在します
それと同様に、価値には多様性が存在します
このページに書かれていることは、単に一方向から見た個人の意見です(多人数の意見をまとめて集約したものではありません。あくまでも一つの参考として捉えて下さい)
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