「バーベキューコンロ」と「焚き火台」の選び方
バーベキューコンロの選び方でまず重要なのは、「
自分が何をしたいのか?」を、はっきりとさせることです
バーベキューだけを楽しむのか、焚き火もするのか? …で、最適な製品が変わってくるからです
キャンプ用のバーベキューコンロを大まかに分けると…、
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バーベキュー専用タイプ
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バーベキューと焚き火台の兼用型
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焚き火性能重視型
…の3つに分類することが可能です
このページでは、
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ユニフレーム「薪グリル/ファイヤグリル」
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スノーピーク「焚き火台」
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コールマン「クールスパイダー」
…という、ド定番の3製品を例に取り、それぞれの特徴を比較しながら、メリットとデメリットを列挙して解説します
自分に合ったバーベキューコンロを見つけてくださいね
バーベキューコンロと焚き火台の選び方 - 目次
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ユニフレーム・薪グリル - 兼用型(大)
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ユニフレーム・ファイヤグリル - 兼用型(中)
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スノーピーク・焚き火台 - 焚き火重視型
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コールマン・クールスパイダー - バーベキュー専用タイプ
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バーベキューコンロと焚き火台の選び方(結論)
ユニフレーム 薪グリル- 兼用タイプ(大型)
UNIFLAME
薪グリル ラージ
薪グリル
画像のバーべキューコンロは、ユニフレームの薪グリル ラージです。
焚き火台兼用型のBBQコンロですが、これがなかなかの優れものです
手前側に開口部があるため、
薪や炭の移動・追加などがやりやすく、焼き網の上に肉を乗せたままの状態で、
火力調整を自由自在に行えます
炭を一箇所に寄せて火力を一時的に集中させたり、炭をばらけさせて火の当たりを均一にするなど、
シチュエーションに合わせた火力調整も容易です
廉価タイプの箱型バーベキューグリルの場合は、炭にアクセスする際に焼き網を持ち上げる必要がありますが、側面開放型のこのグリルは、その必要がありません。積極的に火を操って焼き具合を調整することが可能です
作りもしっかりしているため、今回のように大型の塊肉をドーンと乗せてもびくともしません
公称で「耐荷重(分散)20kg」とされていますので、
重量級のダッチオーブンや大型スキレットも安心して使えます
(実売価格は左上に表示されていると思いますが。出ない場合は広告ブロッカーをOFFにして試してみて下さい)
● メーカー公式ページ→
UNIFLAME 薪グリル(通常版)
※ 薪グリルラージの生産終了に伴い、公式ページが消えたため、ラージでない方の通常版薪グリルページを掲載しています
追記:薪グリルラージは2022年に生産終了となりました
「ラージ」でない方の薪グリルは、品薄傾向ながらも継続販売となっています。
現在販売中の『薪グリルラージ』は、在庫限りで販売終了ですので、検討中の方は早めに確保しておいた方がよいです(遅かれ早かれ、入手できなくなります)
この
薪グリルは、焚き火台としての機能も優れています
上の画像は、バーベキューが終えて焼き網を外し、焚き火に切り替えたところです
背面板が反射材の役割を果たし、焚き火の輻射熱を前面に放射してくれます
秋から冬、そして春にかけての肌寒いシーズンなど、
焚き火で積極的に暖を取りたい場合には非常に有効に働きます
逆ピラミッド型の焚き火台とは異なり、
横長タイプですので、かなり長めの薪でも切らずにそのまま焚べることができます
また、燃焼面が横方向に長いですので炎が比較的大きく見えます。このため見た目にも映え、写真写りが良いのもポイントです
見て判る通り、「野外に据えた暖炉」といった風情があり、ゴージャスなキャンプを演出するのにはぴったりです
バーベキューコンロと焚き火台、どちらの機能も妥協したくない場合は、この薪グリル(ラージ)をおすすめします
暖炉形状のメリット
Coleman
焚火台
ファイアーディスク
ロケットストーブ
七輪
「薪グリルは三面が板で囲まれてるから、輪になって火を囲みにくいのでは?」と懸念される方もおられるかもしれません。ですが、心配には及びません
たしかに「背面板の裏側」に陣取ると、焚き火を眺めるのには向きませんが、そもそもこの手のコンロは風上側に開口部を向けるのがセオリーです
そうすると煙は裏側に抜けることになります。背面は煙が回るため、決して快適ではありません
焚き火というと、キャンプファイヤーを連想する方も多く、円になって火を囲むイメージかもしれませんが、
風下側は何をどうやっても煙が目に染みるのです
無風で煙が真上に登らないかぎり、いずれかの方角は煙に巻かれるため、居たくても居られません
ですので、無理に輪になって火を囲む必要はないのです。
ユニフレームの薪グリルは「
アウトドアで使える暖炉」だ、と思って、
風上側の前面に陣取って使えば良いのです
補足:薪グリルは三面を金属板で覆われているため、輻射熱で燃焼エリアの温度が高まりやすいようになっています
このため、
コールマン ファイアーディスク
のような平型形状の焚き火台に比べて燃焼効率が良く、完全燃焼が促進されるため、比較的煙も出にくい構造となっています
ちなみに、最も煙が出にくいのは、煙突効果と断熱構造を利用し、
高い二次燃焼性能を持ったロケットストーブのたぐいです。
(市販品の中には、煙突効果だけでロケットストーブを謳った製品も多いです)
珪藻土を切り出して焼いた昔ながらの
七輪(しちりん)は、煙突効果は少なめですが、断熱構造は極めて優秀であり、こちらも高効率のコンロです
(ただし、炎を楽しむのには向きません)
ユニフレーム・薪グリル(ラージ)のメリット
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バーベキューと焚き火台、両方に使えるユーティリティ
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前面開放型で、炭の追加や火力調整が楽々
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暖炉を模した形状で、気分もゴージャス
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重量級ダッチオーブンも乗せるだけ(ポットハンガーが要らない)
ユニフレーム・薪グリル(ラージ)のデメリット
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ソロキャンプで使うにはサイズが大きい(4人以上くらいが丁度良い)
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特筆すべきデメリットは少ない。おすすめ
ユニフレーム ファイアグリル - 兼用タイプ
UNIFLAME
ファイアグリル
こちらの製品はユニフレームの「ファイアグリル」です
使い勝手が良く、安定性と耐久性の高さが評価されて、人気の定番商品となっています
人気が高いあまり、複数メーカーから模倣品やコピー品が出るありさまです。
コピー品は正規品よりも安い価格設定になっていますが、オプションパーツのポットハンガーを使う場合などは、必ず本家本物のユニフレームを選択しましょう(確実に使用可能ですし、耐荷重や安定性の面でも安心して使えます)
このファイアグリルは、脚の強度が高く安定しているのが特徴で、かなりの重量物に耐えられます
火受け台の形状も良く考えられており、
バーベキューグリルと焚き火台との性能を程よく両立させています
バーベキューに特化した廉価版コンロなどは、造りが華奢な製品も多いですが、これは頑丈で耐久性のある作りです。
耐荷重が「薪グリル ラージ」と同じ20kgであることを考えれば、その凄さが判るというものです
使い勝手、安定性、耐久性などが高いバランスにあり、サマーシーズンだけでなく、年間を通してキャンプするようなヘビーユーザにもおすすめできるグリルです
「薪グリル ラージほどの大きさは必要ない」という
ソロキャンパーや、少人数でのキャンプにおすすめです
● メーカー公式ページ→
UNIFLAME ファイアグリル
ユニフレーム・ファイアグリルのメリット
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バーベキューと焚き火台の性能を、程よく両立
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薪グリルと同等の耐荷重、堅牢性
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安心の定番ロングセラー商品
ユニフレーム・ファイアグリルのデメリット
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大きく長い薪は乗せにくい
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兼用タイプであるため、焚き火台とバーベキューコンロ、それぞれの専用品には一歩劣る(が、充分使える)
snow peak「焚き火台」 - 焚き火重視型
snow peak
焚き火台 L
snow peak
焚火ツール
セットPro
こちらの製品はスノーピークの「焚き火台」です
逆ピラミッド型の形状が特徴的ですが、これがなかなか良くできていて、
薪が燃えて短くなると、自然にずり落ちて中央に集まりやすい構造になっています
また、燃焼時の輻射熱が薪の端まで当たりやすいため、湿気を含んだ薪でも徐々に乾燥し、きれいに燃えやすい構造になっています(よくできています)
ですが元々が、焚き火台のみの単機能製品であるため、バーベキューグリルとして使う場合は、様々な別売パーツが必要となります。
炭床Pro
(ロストル)や
グリルブリッジ、
焼き網Pro
の三点セットを買い足すと、バーベキューグリルとしても使えるようにもなるのですが、
そこまで揃えると、結果的に非常に高額になります。
はっきり言ってコスパが悪すぎます。
※ 昔はそうでもなかったのですが、スノーピークはブランド化に注力しすぎて高額ブランドメーカーになってしまいました
ちなみに、2022年4月時点でのamazon実売価格は、焚き火台Lが17,600円、炭床Proが4,070円、グリルブリッジLが6,160円(Mなら5500円)、焼きアミPro.Lが6,600円となっており、全部合計すると34,430円です。
(※実売価格は刻々と変わりますので、現時点での価格は販売先サイトにてご確認下さい)
価格だけでも二の足を踏みたくなりますが、突っ込みどころは他にもあります。
バーベキューグリルとして使うには、
火力が一点集中しやすく、均一に分散させにくい構造なのです。
これは、本来焚き火台として設計した製品を、
バーベキューグリルにも転用しようと欲張ったがためのデメリットです。
こうやって比較してみると、バーベキューグリルとしても扱えるように設計されている
ユニフレームのファイアグリルや薪グリルの方が、一枚上手だと言わざるを得ません
(もちろん、バーベキューをせずに焚き火だけを楽しむのであれば、snow peakの焚き火台も良いと思います)
● メーカー公式ページ→
snow peak 焚き火台 L
スノーピーク・焚き火台のメリット
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薪が中央に集まりやすく、火力が集中して燃焼しやすい
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輻射熱が薪の端まで届き、乾燥が進んできれいな燃焼
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堅牢で耐久性が高い。ロングセラー商品の信頼性
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簡単折りたたみ収納、搬入出や運搬・収納も楽
スノーピーク・焚き火台のデメリット
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別売パーツを買い足さないと、バーベキューコンロとしては使えない
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別売パーツを買い揃えると、ドン引きするくらい価格が高くなる
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火力が一点集中しがちで、バーベキューコンロとしては使いにくい
Coleman クールスパイダー プロ/L(バーベキュー特化型)
コールマン
クールスパイダー
プロ/L
「ファミリーキャンプでのバーベキューコンロ」にこだわりたい場合は、コールマンのクールスパイダーがおすすめです
焚き火台としての機能を持たない
「バーベキュー特化型」のコンロですが、専用品には専用品にしか出せない良さがあるというものです
まず、
ロストルが「引き出し式」になっているため、
炭の継ぎ足しが楽々です。
さらに、
レバー操作で焼き網の高さ調節が可能であり、
遠火・近火が自由自在です。焼き網ハンドルを使って、網を持ち上げる必要がありません。
肉から油が落ちて炎が上がる場合でも、一時的に焼き網を高くして遠火にすることで、最適な火加減で焼き上げることができます
さすがはバーベキュー専用タイプです。焚き火台兼用タイプの製品ですと、ここまでの使い勝手は出せません
この製品には焚き火台としての機能はありませんが、その分バーベキューを焼くという機能に特化した専用品です
こうやってさまざまな製品を比較してみると、つまるところ…、
焚き火か、それともバーベキューか、それとも両方とも楽しむのかで、最適な製品は自ずと決まる。 …ということが判ります
● メーカー公式ページはこちら→
クールスパイダープロ/L
コールマン・クールスパイダーのメリット
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ロストルが引き出し式で、炭の追加や調整が楽ちん
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焼き網の高さを3段階に調節可能、遠火も近火も自由自在
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バーベキュー専用型の使いやすさ
コールマン・クールスパイダーのデメリット
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焚き火台としては使えない、バーベキュー専用タイプ
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焚き火も楽しみたい場合は、別に焚き火台を用意する必要がある
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搬入出や運搬よりも、据え置き時の使いやすさを優先
バーベキューコンロと焚き火台の選び方(まとめ)
ユニフレームとスノーピーク、コールマンと、今回は3メーカーの4製品を取り上げましたが、どれもそれぞれに優れた製品です。
ですがそれぞれに、コンセプトが異なります
バーベキューでの使い勝手を重視したい場合は、クールスパイダーのようなバーベキュー特化型を、
焚き火台としての性能を求める場合は、スノーピークのような逆ピラミッド型焚き火台を、
両方の性能をバランスよく求めたい場合は、ユニフレームのファイアグリルか薪グリルを選ぶと良いでしょう
まずは
自分が最も楽しみたいことが、バーベキューなのか焚き火なのか、それとも両方ともなのかをはっきりさせることです
ダッチオーブンやスキレットを使うか使わないかでも違ってきます
これらの鋳鉄製調理器具は重量物ですので、安定性に優れた頑丈なコンロを選択する必要があります
テント選びでも同様のことが言えますが、
「自分が何をやりたいのか?」がはっきり定まっていれば、チョイスは自ずと狭まってきます
ダッチオーブンで丸鶏をローストしたいのか、燻製をして自家製ベーコンをソーセージを作るのか、一般的な「焼き肉バーベキュー」をしたいのか、その選択で最適な製品も変わってきます
まずは、「自分のやりたいこと」と、「やる人数」をはっきりさせましょう!
そうすれば、最適なバーベキューコンロは自ずと決まってきます
このページは、
スペアリブ・バーベキューをした際の経験を元に作成しました
その時のキャンプの様子は、下記ページにてご覧ください
「ゴージャスキャンプ(橘香園)」 目次
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ゴージャスキャンプ(橘香園) (Page 1)
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ベルテント・タープ、サイトの状態 (Page 2)
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スペアリブ・バーベキュー (Page 3)
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キャンプ飯&ドリンク (Page 4)
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ナイトキャンプ (Page 5)
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こぼれ話 (Page 6)
キャプテンスタッグ
B6型スマートグリル
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尾上製作所
フォールディングBBQコンロ
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