第6位:ケルン(樹脂ハンドル編)
ケルン
三徳包丁 180mm
中国製・PP樹脂
ケルンの特徴は、ハンドル形状がアーチ型であるところです
ベルリンが「なだらかなアーチ」だとすると、こちらのケルンは「まさにアーチ型」という感じです。ハンドルがブレードの角から斜め上に突き出すように付いています
ヘンケルスの説明では「エルゴノミックハンドル」となっており、「手にフィットするため、長時間使用しても疲れにくい」…とされています
とはいえ、ここまで形状が極端では、握る位置が限定されるきらいがあり、人によっては使いにくく感じる可能性も否定できません
特に、前の方を握るスタイルの人は、避けた方が無難です
また、
ケルンは、「低価格」がコンセプトのようで、
射出成形のPP(ポリプロピレン)ハンドルと、鋲なし構造で、製造コストが低く抑えられています
他製品よりも安く買えるところは評価したいとは思いますが、
ポリプロピレン製のハンドルは、使い込むと安物臭さがにじみ出てくるので、できれば避けたいところです
また、形状的に格好がよろしくありません。はっきり言ってしまうと、「見た目がダサい」のがマイナスポイントです
ケルンのハンドルは「リベット留め」ではなく、樹脂の射出成形となっていますが、逆にその分ハンドル形状を自由に設計することができ、深いアーチ型のハンドルを実現できています
ちなみに、この形状で「3点リベット構造」にすることも不可能ではないのですが、それをやろうとすると、一枚の鋼材から取れるブレード枚数が大幅に減ってしまうため、コスト高になってしまいます(そのためケルンは、「リベット無し構造」が採用されています)
(他メーカーの話ですが)関孫六の匠創(旧モデル)も、ケルンのような極端なアーチ形状でしたが、現行モデルでは峰側がストレート基調の形状となっています
もしかすると、不評だったのかもしれません
アーチ形状のハンドルは、(ベルリンのように)ほどほどの高さに抑え、無難な造りにするのが一番だと思います
アーチハンドルとは?
ヘンケルスでは、
ハンドル中央が上に盛り上がったグリップを総称して「アーチグリップ」と呼んでいます
人間工学に合ったデザイン(ということになっています)が、
この形状の合う合わないは、人によるところが大きいです(もしくは握り方)
これは個人的な見解ですが、包丁のハンドルは、べったり握るものではなく、ドラムスティックや剣道の竹刀のように、薬指と小指を上手に効かせて握るものだと思っています
力をかけて押し込むときは、人差し指の付け根のあたりを効かせます
ですので、
手のひらの窪みをハンドルの背にべったり付けて握ってしまうと、逆に繊細なコントロール性が失われ、デメリットの方が多いのではないかと思います(のし餅を切る時など、力任せに押すだけなら良いですが)
そのそも、「特定の手」にぴったり合わせたハンドルにすると、手の大きさや指の長さによって使い心地が大きく変わり、大きめの人や小さめの人は違和感が出る場合があります
また、和包丁を握るときのように、ブレードの峰を指で挟み、前側をホールドする握り方にはあまり向いていませんので、注意が必要です(盛り上がった部分が逆に邪魔になります)
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