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「ベルリン」(第2位)- ヘンケルスおすすめ包丁ランキング

最終更新日: 作者:月寅次郎

ヘンケルス

第2位:ベルリン(樹脂ハンドル編)

Henckels ベルリン 「ロストフライ」を兄だとすると、「ベルリン」は弟です

ロストフライほどのロングセラーではありませんが、ヘンケルスの定番包丁第2位を挙げるとしたら、ベルリンの名が挙がるでしょう
海外では"HENCKELS DEFINITION"が「ベルリン」に相当するモデルです。

「その時の流行に合わせて急場しのぎで作った、ぽっと出の泡沫モデル」とは、わけが違うのです
「ヘンケルスが存在する限り、製造され続けるモデル」と考えても良いでしょう

ベルリンも基本的にはオーソドックスなハンドル形状ですが、背側が盛り上がった「アーチハンドル形状」となっています。このためロストフライと比べると、いくぶんモダンな雰囲気が感じられます
「ヘンケルス/ツヴィリング」らしさのあるハンドル形状と言えるでしょう
このアーチハンドルは、西洋の包丁メーカーによく見られるデザイン形状です。例を上げると、ビクトリノックスの高級包丁である「グランメートル」も、形状的にかなり近いものとなっています

アーチハンドルは、背中が盛り上がっているため、手のひらの窪みにフィットして握りやすいのが特徴です
ただこれは、裏返せば、ベストポジションが一点に限定されるというデメリットも持ちえます

「どこを、どう握っても大丈夫な汎用性」を重視する場合は、ロストフライがおすすめですし
「ハンドルは中央しか握りません(逆にそれ以外、どこを持つと言うんですか?)」という方には、ベルリンがおすすめです

ただ、ベルリンがアーチハンドルだからといっても、ケルンほど極端ではありませんので、そこまで握るポイントが限定されるわけでもありません
リンゴの皮を剥く時などは、握る場所を前にずらして構える人も多いと思いますが、ベルリンの「アーチ」は、緩やかなカーブになっています。そのため、さして違和感を感じることは少ないでしょう

ちなみに、本音を白状すると、ヘンケルスの包丁のなかでは、このベルリンが最もデザイン的に洗練されていると思います(私見ですが、本当にそう思います)

このランキングでは、ネームバリューとPOM樹脂を採用している点を重視してロストフライを1位に挙げていますが、「ベルリンの方が、デザインが洗練されていて好き!」と感じられる場合は、ベルリンを一番のおすすめに挙げても良いでしょう
1位と2位は、有って無いような僅差でしかありません。どちらを1位にしても良いですし、双方を「1位タイ」にしても構わないと思います

ヨーロッパ製品の「伝統」について

伝統を重んじる西洋の製品は、とことんまで基本デザインを変えずに継続販売することがあります
西洋製品の良いところは、まさにそこです

何十年使い続けても、時代から取り残されず、かえって価値が上がったりするのです

わたしが持っている刃物の中では、フランス製のオピネルや、スイス製のビクトリノックスのウッドハンドルがこれに該当します

ぽっと出たと思ったらすぐに消えてしまい、世の中から忘れ去られてしまう製品が多々あります
国産の包丁は、その傾向が強く、貝印などは、包丁の名称をよく変更しています

わたしが90年初頭に購入した「関孫六 鋼牛」などは、名前を言っても誰も知りません(聞いて判るのは、貝印の古参社員くらいのものでしょう)
日本人は、古いものをあまり大事にしないのです。これは「新しいものは、良く。古いものは、ダメ」と短絡的に捉えがちな悪癖だと思います

包丁選びにおいて、「名の通った定番商品を買う」というのは、一つの確実な方法です

MISONOのUX10、堺孝行のグランシェフなど、名前で通る「有名包丁」を買っておけば、間違いが無いのです
また、実際に使ってみて、万一自分の好みに合わなかった場合でも、「知名度の高い包丁」であれば、確実なリセールバリューがあるというものです

ヘンケルスは低価格帯の包丁になりますので、前述のような高級有名包丁ではありませんが、知名度と信頼度においては他社に引けを取りません
いやむしろ、低価格の包丁であるからこそ「定番」を選ぶ価値があるというものです

Henckels ベルリンを見てみよう

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残念ながら、ベルリンは国内販売を停止したようです。
amazonでの商品ページは残っていますが、現在入手不能となっています。

ヘンケルス包丁の選び方(全モデル解説) 目次

  1. ヘンケルス包丁の選び方 - 鋼材で選ぶ必要はない
  2. ヘンケルスの鋼材 - 特殊ステンレス刃物鋼とは?
  3. 樹脂ハンドルは、どれも同じではない
  4. ケルン - (第6位)安っぽいPPハンドル
  5. HIスタイル エリート - (第5位)コスパ悪すぎ
  6. HIスタイル - (第4位)変なハンドル
  7. セーフグリップ - (第3位)滑りにくいムチムチ素材
  8. ベルリン - (第2位)ヘンケルスらしい
  9. ロストフライ - (第1位)定番ロングセラー
  10. 結論1(樹脂ハンドル) - ヘンケルスおすすめ包丁ランキング
  11. ケルンM(第4位) - すべてがパッとしない
  12. HIユニティ デイリー - (第3位)ツルピカ溝付で良いのか?
  13. ミラノα(第2位)弱点が少ない
  14. MODERNIST - (第1位)国内販売が望まれる
  15. 結論2(オールステンレス) - ヘンケルスおすすめ包丁ランキング

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月寅次郎が実際に使っている包丁(使用包丁一覧)

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