第4位:HIスタイル(樹脂ハンドル編)
HIスタイル
三徳包丁 180mm
日本製・PP樹脂
ヘンケルスの新しいハンドル形状、「HIスタイル」です
手が万一前方向に滑っても大丈夫なよう、ブレードのアゴに近い部分までハンドルが覆っている形状です
この形状は、言ってしまうと「フルボルスター(全顎)」に近いものがあり、日本人の包丁文化からすると、なじみがありません
西洋のナイフ文化では、「手が前に滑った場合、指が怪我しないように、ヒルト(ガード)が必要」という考え方があるのですが、日本の刃物文化にはこれがありません(マキリなどが顕著な例です。そのためHIスタイルの斬新な形状も、あまりメリットを感じられません)
また、日本人が包丁を握る場合、中指を顎の内側に添えて使うことも多いものです。剥き物をする場合などは特にそうですし、和食の経験のある方であれば、その握り方ができないと、逆に困ることでしょう
ですがHIスタイルのこの形状は、
アゴの内側部分にハンドルが覆いかぶさっており、中指を添えにくい形状になっています
さらに
段差まであるため、前の方を握って皮むきをする場合は、実にやりづらそうに感じます
(中指を内側に添える握り方については、下の画像をご覧ください)
このあたりは、日本人の包丁の扱い方について、リサーチが足りていないのではないかと思います
判っていて、あえてやっているのかもしれません。ちなみに西洋圏では、三徳包丁のような幅広の包丁で剥き物をするという文化がないため、最初から困りません(そのような場合は、パーリングナイフを使います)
ちなみに、「HIスタイル エリート」は、「HIスタイル」と一見よく似た形状になってはいるものの、アゴからハンドルにかけての繋がりに段差がなく、なだらかなカーブを描いています
このため、前述のようなデメリットは生じません
なお、外観デザインについては、ハンドルの付け根付近にボリュームがあるため、どことなくボテッとした印象があり、シャープな感じがいたしません
はっきり言ってしまうと、ケルンと同じくらいダサいと思います(個人的な意見です)
HIスタイルとは?
「ハイスタイル」と読んでしまう人が多いですが、その読み方は誤りです
「高い」という意味の「High」の略ではありません
「HI」は、ヘンケルス・インターナショナルの頭文字からきています
読み方は
「エイチ・アイ スタイル」が正しく、「ハイスタイル」は誤りです
いってみれば、「HIスタイル」は、「ヘンケルス(の)スタイル」ということができます
そういう意味では、「HIスタイル」と「HIスタイル エリート」は、かなり大上段に構えたネーミングですが、だからといって、ヘンケルスの看板モデルとしてワールドワイドで販売されているわけではありません
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樹脂ハンドルは、どれも同じではない
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ケルン - (第6位)安っぽいPPハンドル
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HIスタイル エリート - (第5位)コスパ悪すぎ
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HIスタイル - (第4位)変なハンドル
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セーフグリップ - (第3位)滑りにくいムチムチ素材
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