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隙間充填 - 木屋 牛刀 DIY修理詳細

最終更新日: 作者:月寅次郎

柄の隙間を埋め、水分の侵入を防ぐ

包丁 修理

この包丁は「未使用」で入手しましたが、年代物の古い包丁だけあって、あちこちに微細な隙間が生じていました
隙間から奥に浸透した水分は抜けにくいですので、ハガネの包丁は中子の腐食に繋がります

しっかり修理(対策)して、長期の使用に耐えられるようにしたいと思います

まずは、この包丁を入手した時の、現状の確認から始めましょう

入手時の状態

包丁 修理 隙間
背側です

中子と板材の間に、(わずかですが)隙間が生じています

中子の角に、グラインダーが噛み込んだ跡が残っていますが、これはハンドル全体を整形・研磨する際に削り取りました)

包丁 修理 隙間
こちらは腹側です

背側も腹側も、右側面の口金付近に僅かな「浮き」が見られます

錆で押し上げられたのか、乾燥によって木が反ったか、元々の合わせ方が甘いのか、未分解のため原因は特定できませんが、「内部腐食(錆)による内側からの押し上げ」の可能性が、最も高いと見ています

包丁 隙間
右側面には、ピンの後方に隙間が生じています
この部分も、丁寧に塞いておきたいところです

この角度から見ると、縞黒檀の木理がよく判ります。黒と茶のコントラストの美しい、実にいい塩梅の木目となっています

隙間を埋める

木粉
隙間の充填には、漆と木粉を使います

まずは、木を削って「木の粉」を作ります

包丁 隙間 修理
木粉を隙間に押し込み、奥深くまでしっかり充填します

木粉を充填する前段階として、かなり薄く溶いた漆を浸透塗装させています(数回やりました)
そのため、木肌が光沢を帯びた状態になっています

隙間が生じている部分は、なるだけ奥まで漆を浸透させようという算段です

包丁 隙間 修理
背側も同様に木粉を充填します
こうすると、どこに隙間が生じているか、色の違いでよく判りますね

包丁 隙間 修理
腹側も同じく充填です

包丁 隙間 充填
ティッシュで筆代わりの「こより」を作ります
この後、薄めた漆を充填箇所に浸透させ、硬化させます

充填部に漆を浸透・硬化

包丁 隙間 充填
漆を浸透させているところです

包丁 隙間 修理
背側も浸透が終わりました

包丁 ハンドル
漆をさらに数回塗り重ね、軽く研磨をかけてみました(色は「透明」を使用)

包丁 ハンドル
背側です
おおよそきれいに充填できたようです

包丁 ハンドル
こちらは腹側です

導管もいくぶん埋まってきたため、木肌に滑らかさが出てきて、風合いが良くなってきました

包丁 ピン
充填・浸透後のピン周辺です

導管はかなり埋まりかけていますが、隙間を埋めた部分は、まだ段差が残っています
段差自体は大したことは無いですし、実用上は何の問題もありませんが、きれいに「面一」に仕上げたいですので、エポキシで埋めることにしました
段差の高さはごく僅かなのですが、これを塗装で埋めるのは、結構大変です

後から考えれば「刻印埋め」の要領で、希釈しない漆をそのまま塗り、研磨を施して仕上げても良かったかなと思います

エポキシで、埋めきれなかった段差を修整

包丁 修理
マスキングして、エポキシを塗り込めているところです

包丁 修理
塗ったエポキシ樹脂を研磨して「面一」に仕上げました

画像は研磨途中の状態ですので、エポキシの被膜がまだ厚めに残っています

この間何度か漆を塗り重ねていますので、導管の方もかなり埋まってきました

導管が完全に埋まると、「凹凸皆無のツルテカ面」が出来上がり、美しい光沢が生まれます
ウレタンクリア塗装とは一味違う、艷やかで深みのある塗膜です

この後きれいに「面一」に仕上げ、仕上げ塗りを施して完成させました
最終的には、下の画像のようになりました

表面塗装を施し、完成

包丁 修理完了

試行錯誤とやり直しの連続ではありましたが、おおよそ満足の行く仕上がりとなりました
漆の塗り重ね回数は、最終的に14回になりました

塗り方が下手で、ムラが酷く出たり、乾燥中に床に落としたりして、何度もやり直しています
スムーズに進めば、より少ない回数で仕上がったとは思います。「まだまだ下手くそ」だなと反省しています
言い方を変えると、なかなか一発で仕上げることができず、「首尾よく仕上がるまで何度も繰り返し、たまたまきれいに塗れた時に止めた」という感じです

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