ブルーマジックの番手・粒度・成分
このページは、「ブルーマジック メタルポリッシュクリーム」の解説(2ページめ)です。
番手、粒度、成分等について、専門的な見地から解説します。
ブルーマジック - 目次
- ブルーマジックの基本 ← 前のページ
- 番手・粒度・成分 ← 今見ているページ
- 使用例と感想(鏡面仕上) ← 次のページ
- 使い方上級編 (ページ4)
- 車のボディ磨き (ページ5)
- 家庭での使用 (ページ6)
番手(粒度)と研磨粒子、成分
ブルーマジックに使用されている研磨粒子は、アルミナ(酸化アルミニウム)です
研磨粒子の平均サイズ(粒径)は5ミクロンです。
番手に換算すると、おおよそ#3000番あたりになるはずですが、これはあくまでも計算上の話しです。
3000番のサンドペーパーと同じ目に仕上がると捉えない方が賢明です。
ベースが硬いと、ワークへの食い込みも大きくなるからです。
同じ番手(粒度)を使用した場合でも、剛性の高いものを当てて、圧が逃げないようにして磨いた場合と、柔らかいバフで圧力を逃しながら磨いた場合では、仕上がりが異なります。
ブルーマジック 成分一覧表
ブルーマジック メタルポリッシュクリームの成分一覧
成分 | 簡単に 言うと | 用途 | 備考 |
酸化アルミニウム | アルミナ・アランダム | 研磨剤 | 平均粒子サイズ5μ 含有量25~35重量% |
水素化精製軽質留出油 | ケロシン・灯油 | 溶剤・ベース剤 | 吸引注意 |
オレイン酸 | 脂肪酸・油 | 潤滑剤 | オリーブ油に多く含まれる |
水酸化アンモニウム | アンモニア | 還元剤 | 酸化防止、吸引注意、臭いよ |
ジメチルポリシロキサン | シリコン | 表面保護・艶出し | 無害、ジメチコンとも呼ばれシャンプーにもよく入ってる |
硫酸バリウム | バリウム | 顔料(白色) | 胃の検査で造影剤として飲むやつ、う○○が白くなるやつ |
ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル | - | 界面活性剤 | 水と油の仲介役 |
C.I.ピグメントブルー29 | ウルトラマリン | 顔料(青色) | 着色用 これがないと「ブルー」にならない |
ヘキサヒドロ(中略)-1,3,5-トリアジン | - | 粘度調整剤と思われます | 少ししか入っていません |
ちなみに、
「ピカール金属みがき」の平均粒径は3ミクロンです
ピカールにもさまざまな種類があり、それぞれに研磨粒子の素材と粒度が異なります。
ピカールの詳細については、
ピカールの粒度と研磨素材 のページで解説しています
ブルーマジックのウソ・ホント
ブルーマジックには真偽の定かではない情報や、さまざまなガセ情報があります。
ここでは専門的な知見と多数の施工経験を元に、情報の真偽を一つ一つ明らかにしたいと思います。
当ページの内容は、実際にわたしがブルーマジックを使い倒して得た情報が、多々含まれています。
キュレーションサイトのライターの皆様、当ページの内容を換骨奪胎してページを作らないでください。
最近安易に内容をパクる人が多いので、先に釘を刺しておきます。YouTuberや個人ブロガーの皆様も同様です
某ゲーム系ユーチューバーの方には警告を行いました。パクリに対して使用料を請求し、費用を回収した実例
「研磨剤なし」は、ガセ情報(間違い)
ブルーマジックの販売ページでは・・・、
「コンパウンドは含まれていません」という説明をしているサイトがありますが、
これは完全に間違いです。
(用語の使い方からして間違っています)
まず、
ブルーマジックには、「酸化アルミニウム」が配合されており、これは立派なアルミナ系の研磨剤です。
「コンパウンドは入っていない」という文言は、「研磨剤が入っていない」と言いたいのだと思われますが、そもそも研磨粒子をコンパウンドと呼ぶこと自体が間違っています。(
二重の誤りです)
ブルーマジックは、
「ベース材に研磨剤を混ぜ込んで半練り状にしたもの」ですので、ブルーマジックはコンパウンドそのものです。
そもそも「コンパウンド」とは何を指すのか?
コンパウンドという用語は、「複合物・化合物、合わさったもの」を意味し、この場合は「
研磨粒子をベース材に練り込んで、一体化させたもの」という意味で使われています。
粉末の磨き粉をコンパウンドと呼ばないのは、ほぼ研磨粒子のみで構成されており、研磨剤と基材を混合・一体化させていないからです。
ちなみに、タイヤのトレッド面のゴムも「コンパウンド」と呼ばれますが、この場合は「ゴムをベースに、カーボンや油分を混合したもの」という意味です。
このように、コンパウンド=研磨粒子 ではありません。
また、酷い業者になると、「
コンパウンドが入っていないので、傷が付きません」と説明しているものもあります。
これはさすがに酷すぎますね。
商品を販売して対価を得るのであれば、表示説明も正確である必要があります。
磨いた時に傷が付くかどうかは、研磨剤の粒子サイズと、磨く対象の硬度によって左右されます。
ブルーマジックには研磨剤が含まれていますが、粒径が小さいため(対象物の硬度が低い場合を除いて)傷とはなりません(厳密にはミクロの傷は入るのですが、微細過ぎるため、肉眼では平滑に見えるのです)
このような誤った表記は、「研磨剤で磨くと、一律に傷が付く」という誤った認識によるものです。
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