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ブルーマジック - 使った感想・鏡面仕上げ例

最終更新日: 作者:月寅次郎

ブルーマジックのインプレ、実際に使用した感想

ブルーマジック 鏡面

このページでは・・・、
ブルーマジックを使用して仕上げた鏡面仕上げの実例や、使用した感想(レビュー)等を紹介します

 ブルーマジック - 目次

  1. ブルーマジックの基本 (ページ1)

  2. 番手・粒度・成分 ← 前のページ

  3. 使用例と感想(鏡面仕上) ← 今見ているページ

  4. 使い方上級編 ← 次のページ

  5. 車のボディ磨き (ページ5)

  6. 家庭での使用 (ページ6)
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ブルーマジックとは

ブルーマジック
550g

ここで言う「ブルーマジック(Blue Magic)」とは、金属パーツの研磨・艶出しに使用する「ブルーマジック メタルポリッシュクリーム」の事です
左の画像の商品です。表示されない場合は、広告ブロッカーをOFFにしてご覧ください

最近では「シンクを磨くとピカピカになる」と話題になりましたが、元々は自動車の金属パーツやトラックのメッキホイールを磨くための「カーケミカル用品」です

ライバル商品としては、海外製品ではマザーズの「マグ&アルミポリッシュ」、国内製品では「ピカール」や、ワコーズの「メタルコンパウンド」などが挙げられます

同一名称の商品で、「卵の上に座っても割れない!」というクッションがありますが、あれとは無関係です(ハニカム構造+ゲル素材の青い座布団)
他にもソウルR&Bグループ歯科用切削器具ビール醸造所など、さまざまな「ブルーマジック」がありますが、「元祖」と呼べるほどの歴史を持っているのは金属磨き用の「ブルーマジック メタルポリッシュクリーム」です(1967年から販売されており、この分野では草分け的な商品になります)

ブルーマジックを使用した感想

ブルーマジック 鏡面仕上

ピカール
金属磨き

3ミクロン
数多くの包丁やナイフを鏡面仕上げに加工しましたが、ブルーマジックは毎回必ず使用しています
もちろん、ブルーマジックを使う前段階で耐水ペーパーは使用しますし、最終工程ではウィルソンの超微粒子も併用しますが、これがないとさすがに困ります

研磨剤のキレが良いため、高硬度金属に対しても充分な切削力があります

ピカール金属磨き(3ミクロン)と比較すると、研磨粒子のサイズが少しだけ大きいので、その分切削効率が高い点も気に入っているポイントです
それほど大きな違いが出るわけではありませんが、傷取り力重視であればブルーマジック、そもそも下地に傷がない状態で、平滑度重視であればピカールかなと思います(あえて言うならです)

個人的には、後工程としてウィルソン超微粒子を併用することが多いですが、ブルーマジックをかけた時点で充分鏡面に仕上がっています

ウィルソンの超微粒子(濃色車用)は0.5ミクロンですので、微粒子すぎて研磨効率が低く、はっきり言ってしまうと肉眼ではあまり変化が感じ取れません(どちらかというと、ここまで粒度を挙げるのは、ただの自己満足に近いです)(あくまでも高硬度金属に施工した場合の話しです。自動車塗装面に対してはそれなりに有効に働きます)

同様の作業は、電動工具(ミニリューター)と青棒でも可能ですが、電動工具に慣れていないと、バフが暴れて波目の段々模様になったりすることがあります

その点ブルーマジックは、基本的に「手磨き」で磨きますので、回転工具特有の振動によるバフ目が付くこともなく、柔らかく繊細なタッチで磨き上げることができます
個人的には欠かせない道具の一つです

同じような金属研磨用の商品は、他社からも種々出ていますが、価格に対する研磨剤の量を考えると、コストパフォーマンスが優秀だと思います(製品重量ではなく、研磨剤重量で考えなくてはなりません。液状の製品はシャバシャバしていますので、研磨剤重量比が20%前後であることが多く、製品重量で単純比較できません)

ブルーマジックで仕上げた鏡面の例

ブルーマジックを使って、実際に鏡面に仕上げた例を紹介したいと思います

のっけから夢を壊すようで申し訳ないですが、「ブルーマジックさえ使えば、誰がやってもこんなにきれいに仕上がる!」と、安易に捉えないで下さい

とはいえ、ブルーマジックを使用する前段階の、「下地出し」さえ完璧に仕上げていれば、このような鏡面を出すことは、そんなに難しくはありません(誰にでも可能です。難しいのは下地出しの方です)

鏡面仕上げの前段階の処理(下地出し)については、こちらのページが参考になります

● 参考ページ:口金の鏡面仕上げ
口金部分は刃物鋼ではないため硬さもほどほどです。ここでは試しに#3000番まで上げていますが、#2000番の段階で鏡面の下地は出ていると言って良いでしょう

● 参考ページ:コンパウンドで鏡面に仕上げる
ステンレス製の包丁を磨いたケースです

● 参考ページ:オピネルナイフの鏡面下地出し
ハガネのブレードを磨いたケースです(全鋼のため刃先と同程度の硬度があり、硬くて苦労しました)

包丁のカスタム全般に使用

包丁 カスタム
上の画像は、1970年代後半に製造されたヴィンテージ品の包丁を、フルカスタムしたものです

この包丁では、 口金の鏡面仕上げアゴと峰の磨き込み刻印の漆埋め漆塗装したハンドルの研磨 など、各所の磨き込み工程でブルーマジックを多用しています

カスタムの全容を紹介したページは、上の画像をクリックすると表示されます

塗装面を磨く

ブルーマジック使用例
塗装面は金属に比べて柔らかく、塗膜の厚みも数十ミクロン程度しかありません
ですので、下手にやると地肌が出ます

誰にでもおすすめできるものではありませんが、研磨の経験が豊富な上級者であれば、それほど難しいものでもありません

ブルーマジックを塗装面に使用する是非については、ブルーマジックで車を磨く(塗装面はOKか?)のページで詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。上の画像をクリックしてもOKです

ステンレス側面材を磨く

ブルーマジックで鏡面に仕上げたペティナイフ
こちらは、藤次郎のペティナイフを鏡面に仕上げた例です
刃の部分は、武生特殊鋼材株式会社のVG10、側面材はおそらくSUS410、もしくは同系のステンレス材と思われます

VG10の刃物用鋼材の部分は、それなりの硬度がありますが、側面材は耐蝕性重視のステンレスのため、それほど硬度が高いわけでもありません

大きく傷の入った状態からスタートしましたが、快適に切削・研磨し、最終的に鏡面に仕上げることができました

具体的な作業の全行程については、藤次郎のペティナイフを鏡面仕上げに(方法・手順) のページで解説しています
実際にブルーマジックを使用する工程については、上の画像をクリックすると表示されます

ステンレス系の刃物鋼材を磨く

ブルーマジックの研磨例
こちらも、同じステンレス刃物です(オピネルのフィレナイフ)、鋼材は「12C27」と思われます
「合わせ」や「割り込み」ではなく、一枚物の刃物です
側面材が使用されていないため、全体的にそこそこの硬度がありましたが、高い切削力を誇るブルーマジックのおかげで、きれいな映り込みを出すことができました

ブルーマジックで磨いたナイフ

こちらのフィレナイフは、作業解説ページは未作成ですが、完成画像はこちらのギャラリーページで見ることができます → オピネルフィレナイフのカスタム
鏡面に仕上がったカスタム後の状態と、作業前の使い古した傷だらけの状態の両方を掲載しています

焼入れした炭素鋼(ハガネ)を研磨する

ブルーマジックの研磨例(炭素鋼)
こちらは、炭素鋼のオピネルを鏡面仕上げにした例です

刀身すべてがハガネでできており、いうならば「本焼き」の刃物です
サビの貫入跡の除去に非常に手こずりましたが、硬度の高い鋼材であるため、一旦表面が仕上がると、非常にキレのある輝きを出すことができます
スレンレス系のやや黄色みがかった輝きとは異なり、まさに「白銀の輝き」といった塩梅です

この刃は、HRC硬度で60近い硬度が出ていると思います
このレベルの高度になると、溶融アルミナ(ホワイトアランダム)でないと切削効率が悪く、なかなか作業が進みません
実際、アルミニウムシリケートを使用したコンパウンドでは、ほとんど研磨できませんでした

ブルーマジックは、このような高硬度の鋼材に対しても、安定した研磨力を発揮しますので安心して使えます

具体的な作業の全行程の様子は、オピネル 鏡面仕上げのページで解説しています
実際にブルーマジックを使用する段階の作業工程については、上の画像をクリックすると表示されます
アルミニウムシリケートとの研磨比較画像なども合わせて掲載しています(研磨に使った紙にどれだけ金属粉が付着しているかで、おおよその研磨力が判ります)

和包丁の平を磨く

ブルーマジックで和包丁の平を磨く

こちらは和包丁(薄刃包丁)の平を磨く際に使用しています(画像は磨く前の状態)

ブルーマジックの研磨例(和包丁)
最終的には、このように美しく仕上がりました
(切刃の部分は砥石を当てていますので、鏡面ではありません)
薄刃の和包丁 カスタム全行程 はこちらで解説しています
ブルーマジックを使用する工程については、上の画像をクリックすると表示されます

他の刃物への使用例

ブルーマジックの研磨例(ペティナイフ)

こちらは、貝印のペティナイフ「関孫六 4000CL」(月寅次郎カスタム)です。

ブレード表面だけでなく、口金やハンドル材もブルーマジックを使用して磨いています。
ブルーマジックの研磨例(パーリングナイフ)
これはビクトリノックスのペティナイフを鏡面に仕上げた例です(研磨工程に関しては当サイト未掲載)

片面のみを鏡面にしています

このナイフは、薄く細身で、鋼材の硬度も中程度です
価格も安価ですが実に使い勝手が良く、家庭のキッチンで実際に役立つ一押しナイフです

このナイフを使った感想、活用の仕方などはこちらのページで解説しています

サンドペーパーの選び方 については、左記のページをご覧ください
有名どころのNCA(ノリタケ)、三共理化学、コバックス等について解説しています

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ブルーマジックの使い方上級編 (ページ4)に進む

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