ラインフローファンの外し方 - エアコン分解洗浄

最終更新日: 作者:月寅次郎


ラインフローファンの外し方

ラインフローファン 取り外し
左側のゴムブッシュは白樹脂カバーとエアコン本体に挟まれるようにして固定されています。

そのため、白樹脂カバーをずらせば、左側ゴムブッシュの固定も緩くなり、ラインフローファンが抜けやすくなります。
(逆に言うと、白樹脂カバーの固定を緩めてずらさなければ、ラインフローファンの左側の固定が外れません)

白樹脂カバーを左方向にずらし、シロッコファンの左側を掴んで下方手前に引っ張ると、左側の固定軸が外れます。

白樹脂カバーの固定を外すことで、コンデンサー本体も(わずかですが)動かせるようになります。
ただ、冷媒の入った銅パイプはエアコン本体と繋がったままですので、必要以上に動かさないようにしましょう。
(動かす時は、慎重に!)

コンデンサーを必要以上に動かすと、銅パイプが破損して、中の冷媒が漏れ出します。
液体の冷媒が一気に噴出し、気体となって拡散します
(白く冷たい冷気が噴出するような感じになります。もちろん元には戻せません。思わず手で押さえようとすると、思わぬ低温に驚くと思います。)

そうなると、エアコンとしてはもう終わりです。(修理案件ではなく、買い直しが必要になるはずです。慎重に取り扱いましょう)

※ 遠い遠い昔の話ですが、筆者は小型冷蔵庫の冷却パイプを傷つけて、冷媒を噴出させた経験があります。もちろん、冷蔵庫は買い直しになりました。
超小型の冷蔵庫だったため、冷媒の噴出も短時間で終わりましたが、家庭用エアコンですと冷媒もそれなりの量となります。気をつけましょう。



※ コンデンサーの位置をずらさずにラインフローファンを取り外すことができれば、それがベストなのですが、大抵の場合は無理です。

ラインフローファンを抜き取る際の隙間を開けるため、やむを得ずコンデンサーの位置をずらす必要があります。

ラインフローファン 取り外し
左側のゴムブッシュを抜き取りました。

嵌っているだけでしたので、引っ張るだけで抜くことができました。

※ 装着時にまごつかないように、ゴムブッシュを嵌める向きは確認しておきましょう。
一つ前の画像のように、装着した状態で一枚撮影しておくと間違いがありません(後で見直すことで、間違いのない方向で嵌められます)

ラインフローファン 取り外し

右側の軸受を外すと、ラインフローファンが取り外せます。
(上の画像は取り外し後の状態です)

右側はモーターと繋がっているのですが、軸受に柔軟なゴムブッシュが噛まされているため、(右側を固定したままの状態でも)かなり自由に動かすことができます。

この(右側の)柔らかいゴムブッシュが曲者なのですが、いくら引っ張ってもなかなか抜けません。
かなりの力で引っ張っても、軸受ゴムが伸びるだけで、なかなか外れないのです。

これは「分解あるある」の一つですが、引っ張れば引っ張るほどゴムの内径が縮まることで、より一層強く軸受を咥え込むような作用が働いています。

この場合、いくら引っ張っても外れません。

マイナスドライバー等を使い、軸受とゴムブッシュの境界付近に押し当て、ねじ込んでこじるようにすると、いとも簡単に外れます。
(コンデンサーが邪魔をして、軸受付近が視認しづらいと思います。
適宜、懐中電灯やヘッドランプを併用して、上手に作業してください)

シロッコファンと、ラインフローファンの違いについて

エアコン内部にある円筒形の送風用ファンは、「シロッコファン」ではありません。
「ラインフローファン」です(クロスフローファンとも呼ばれます)

多翼型のファンですので、シロッコファンと混同しやすいですが、シロッコファンは筒の横方向から空気を吸引し、羽根の隙間から遠心方向に空気を吐き出します。

ラインフローファンは、一方の羽根の隙間から吸入し、反対側から吐き出すつくりになっています。
ファンを裸で回転させても、そのような空気の流れは発生しません。
これは、外側を囲むケースの形状によってエアフローを制御し、生み出された流路抵抗差によって空気を押し出しているものですす。

※ ネット上のエアコン清掃解説ページには、堂々と「シロッコファン」と書いてあるものも散見されます。
「シロッコファン」で検索でヒットさせるために、(断りを入れた上で)敢えて間違った表現を使っているのであれば良いですが、全く知らずに書いている場合は、執筆した人の知識や技術が稚拙な可能性があります。
(ネット上の解説ページは玉石混交です。気をつけましょう)


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