ダマスカス包丁について


欲しかったが、結局買わなかったダマスカス包丁

ダマスカス包丁は、見た目にインパクトが有り、「何だかよくわからないけど、とにかく凄そうな包丁」という雰囲気を漂わせています
わたしも一時期、ダマスカス包丁を買うかどうかでかなり迷ったのですが、結局買わずに留まりました(今では買わなくてよかったと思っています)

このページでは、「なぜわたしが、ダマスカス包丁を買わなかったのか、ダマスカス包丁のデメリットは何か?」‥という観点から、ダマスカス包丁を解説してみたいと思います
ダマスカス包丁の購入を検討中の方は、参考にしてみてください

ダマスカス包丁について:目次
  1. ダマスカス包丁のデメリット 1~2

  2. ダマスカス包丁のデメリット 3

  3. ダマスカス包丁のデメリット 4

  4. ダマスカスナイフについて

  5. ダマスカス包丁のメリット

  6. ダマスカス鋼とは?

  7. ダマスカス鋼の呼称問題

  8. ダマスカス包丁よりコスパが良いのは?

  9. ダマスカス包丁を買わなかった理由

ダマスカス包丁のデメリット 1~2

1.ダマスカス包丁は、見た目重視でコストパフォーマンスが悪い

一般的なダマスカス包丁は、切刃鋼材の両側面に、ダマスカス積層材を張り合わせて作られています
構造的には、切刃鋼材と側面材とで構成された、「クラッド材」に分類されます
それでは、一般的なクラッド材の包丁は、ダマスカス積層材の代わりに何を使用しているかというと、SUS410というステンレス鋼材が多用されています

SUS410は、硬度優先の切刃鋼材と比較して、耐蝕性と靭性に優れているため、錆に強いだけでなく、包丁全体の粘りを上げることができ、衝撃が加わった時の「刃折れ」を防止します
機能的にもコスト的にも、包丁の側面材として最適なものの一つと言ってよいでしょう

このSUS410の替わりに、ダマスカス積層材を使用したのが、いわゆるダマスカス包丁です
ダマスカス積層材にも、刃体の靭性を高めるといった機能的要素はありますが、それはSUS410でも可能であり、主目的が刃体側面の装飾であることは否定し難く、なおかつコスト的にはSUS410に劣ります

結果として、ダマスカス積層鋼材を使用すると、コストパフォーマンスが悪化してしまうと言うことができます

2.ダマスカス包丁だから切れ味が良いわけではない

ダマスカス積層材を側面にあしらったところで、包丁としての切れ味が増すわけではありません

ダマスカス包丁の切れ味を左右するのは、ダマスカス鋼材の間に挟まれた『切刃用鋼材』にかかっています
たいていのメーカーは、ダマスカス包丁の切刃として、V金10号などの高級鋼材を採用して、優れた切れ味を生み出しています
しかしそれは、V金10号が優れているわけであって、ダマスカス鋼材が切れ味に直接寄与しているわけではありません

むしろ、ダマスカス模様が、切れ味に対して悪影響を及ぼす場合もあります

ダマスカスの積層模様というのは、地図で言うところの「等高線」と同じ原理でできているため、ある程度の厚み(高低差)がないと積層模様が引き立ちません
この際、積層面の模様の出方ばかりを重要視すると、刃のスキ具合を最適な設定にすることが難しくなり、切り抜けの良い薄手のブレードが作りにくいといった、ネガティブな要素が出てきます

良心的なメーカーは、これらの二律背反をよく理解した上で、実用上差し支えない程度の妥協点を模索してブレード整形を行っているようですが、いずれにせよ「模様を重視してブレード設計を行うと、刃厚が厚めになりやすい」という点は、ダマスカス包丁の2つ目のデメリットと言えるでしょう

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