ダマスカス包丁について

最終更新日: 作者:月寅次郎
ダマスカス包丁

ダマスカス包丁は人気があり、売れ筋の包丁です
さまざまなサイトで、「ダマスカスが一番のおすすめ!」などと紹介されており、高級包丁として確固たる位置を確立しています
見た目にもインパクトが有り、「いかにも切れ味が良さそう」という雰囲気を漂わせています

わたしも一時期、購入を検討しましたが、調べれば調べるほど興味が薄れていき、結局購入を見送りました
今では、買わなくて良かったと、本当に思います(後悔していたと思うので)

このページでは、ダマスカス包丁について・・・
  • ダマスカス包丁のメリットとデメリット
  • 通常の包丁と比較して、体感できるほどの切れ味の違いがあるのか?
  • ダマスカスよりコスパの良い包丁は、具体的にはどれなのか?
 
・・・などなど、多角的な観点から解説しています

ダマスカスが人気の製品だからといっても、必ずしもおすすめできるものではありません
通常の三枚合わせの包丁と機能的にはさほど変わらず、少なくとも、使う人のことを本当に考えた製品とは言えません

ダマスカスの最大の能力は、見た目のインパクトで、消費者の財布の紐を緩める力であり、機能的には普通の包丁と何ら変わることはありません

つまり、あの模様は「装飾」でしかないのです

それでも、あえてダマスカス包丁を選ぶ場合は、こちらを参考にしてください
数は少ないですが、良心的な造りの製品を挙げてみました

ダマスカス包丁
ダマスカス包丁

ダマスカス包丁について:目次

  1. ダマスカス包丁のデメリット 1~2
    ダマスカス積層材は、外観を美麗に仕上げるために費用がかかっており、その分のコストが製品価格に上乗せされています。決して高い分だけ切れ味が良いわけではありません
    装飾のために費用がかかっており、そのために製品価格が高額になっているのです

    また、積層材を薄くしすぎると、せっかくのダマスカス模様が際立ちません。波紋模様の本数が減ってしまうのです。そのため、どうしても厚みのある包丁になりがちです
    切り抜けが悪くならないよう、包丁の厚みを適正に納めつつ、なおかつ流麗な模様を出すのは、技術と精度の要求される大変な作業です。このような「普通の包丁には全く必要のない、難作業の加工コスト」も、当然ながら製品価格に上乗せされています

  2. ダマスカス包丁のデメリット 3
    ダマスカス模様は、何年経っても美しく輝いているのでしょうか?
    そうだとすれば素晴らしいのですが、それを実現するためには、包丁を使わずに飾っておくしかありません
    なにしろ包丁は実用品なのです。使っていれば傷も入ってきます。ダマスカス模様が消えた場合に、再び「模様出し」をしてくれるメーカーもありますが、もちろん有料です

  3. ダマスカス包丁のデメリット 4
    包丁を研がずに使い続ければ、どんな優れた包丁でも「なまくら」になってしまいます
    包丁を研ぐと、大なり小なり傷は入るものです。切れ味を取るか、模様を取るか?さあ、どうしましょう?

  4. ダマスカスナイフは、コレクション用
    同じダマスカスでも、包丁とナイフはかなり違います。ナイフはコレクション的な要素が高いため、使わずに飾っておいてもさして困らないのです
    包丁の場合は、ダマスカスのデメリットが盛大に出てしまいますが、ナイフの場合はさほど問題とはなりません

  5. ダマスカスのメリットは、製造販売側の甘い汁
    このように、ダマスカス包丁は消費者にとってさしたるメリットはなく、高額で見栄えが良いだけの包丁でしかありません
    ですが、ダマスカス包丁のメリットを存分に享受している方々もおられます。一体、誰なのでしょう?
    それは、製造メーカーと販売業者です。模様を付けるだけで、なかなか買い換えられることのない家庭用包丁が、飛ぶように売れるのですから、こんなおいしい話はありません。結果として、ダマスカスこそが究極至高の包丁であるかのように、褒め称える販売ページが、ネット上に乱立することとなりました

  6. 本来『ダマスカス鋼』とは、何を指すのか?
    現在市販されている「ダマスカス」は、すべて似非(えせ)でしかありません
    似て非なるものであり、ありていに言ってしまえば偽物です
    それでは、本物のダマスカス鋼とは、どのようなものだったのでしょうか?

  7. ダマスカス鋼の呼称問題
    ダマスカス鋼の偽物が堂々と販売されているのに、消費者庁が規制をかけないのはなぜなのでしょう?
    それは、そもそも消費者が偽物だと認識していないことが主要因です。さらに、本物のダマスカスを製造販売する主体が、現代に存在しないからでもあります。「偽物に商標を侵害された」と訴える主体が無ければ、警察も省庁も、自発的に動くことはないのです
    だからといって、消費者の誤認を誘発するような名称や説明は、許容されてよいのでしょうか?

  8. ダマスカス包丁よりコスパが良いのは?
    「ダマスカスはコスパが悪い」と書いているページは、ネット上にも散見されますが、「実際に、どれだけコスパが悪いのか比較してみました」というページは、なかなか見当たりません
    それでは本当に比べてみようと思い、実際にいろいろ調べてみました
    包丁の製品価格と使用鋼材を、じっくり比較検討したところ、ダマスカスの方が商品価格が高額なのに、鋼材は低グレードになっている実例が見つかりました

  9. ダマスカス包丁を買わなかった理由
    わたしが初めてダマスカス包丁を知ったのは、テレビの番組でした
    「この包丁が、海外で大人気、すごい切れ味~!」とやっていました
    海外で人気があるのは確かですし、砥いだばかりの包丁は、(よほど酷い製品でないかぎり)どれも素晴らしい切れ味が出るものです
    ですから、別に嘘でも間違いでもないのですが、今から思えば、「切れ味は目では見えないのに、恣意的な演出で、いかにもテレビ的だな~」…と思います
    結局わたしは、いろいろ調べて、鋼材にこだわった別の包丁を購入しました
     えっ? ダマスカス包丁を買わなかった理由ですか?
    そもそも消費者に誤解を与えかねない製品は、購入に値しない、というのもありますが、これ見よがしで外観重視の包丁を使っていると、逆に、使っているこちらの方が、格好悪くて仕方がないからです

  10. おすすめのダマスカス包丁を選ぶ - 包丁マニアの裏話
    このページでは、おすすめのダマスカス包丁を紹介する上で、「おすすめできない例」も併せて紹介しています
    どういった製品は避けた方が良いのか、その根拠は何なのか、きちんと把握することで、包丁に対する理解が深まり、おのずと質の高い包丁を選べるようになるからです
    ただ、丁寧に解説しようと熱が入るあまり、業界的には口外が憚られるような、「あんなことや、こんなこと」も書いてし… 続きを読む

包丁の製造販売に関わると、本当のことは言いづらくなってしまう

ツヴィリング
ボブ・クレーマー
メイジ シェフ
ダマスカス



堺孝行
槌目ダマスカス
剣型三徳


包丁の製造販売に関わる方からすると、ここに書いたことは耳の痛いことばかりたと思います
実際のところ、わたしは業界関係者ではなく、ただの「刃物好きの包丁マニア」ですので、何のしがらみもありません
そういうわけで、忌憚のない意見を書かせていただきました

かなり思い切ってダマスカス包丁を切り捨てましたが、それほど間違ったことは書いていないと思います

疑問に感じるようでしたら、Yahoo知恵袋で、「ダマスカス包丁の購入を検討中なのですが、あれは包丁としてどうなのでしょう?」と質問してみるとよいです
包丁、ナイフの分野を超えて、さまざまな刃物マニアの方々から、「ダマスカス包丁は、おすすめできません!」というアドバイスが、多数投稿されるはずです
(刃物に詳しい人達は、皆一様にそう思っているのです)

また、刃物屋さんに赴いた場合は、店員さんに尋ねてみるとよいでしょう(ダマスカス包丁と一般的な包丁で、おおよそ同じ価格の物を一本づつ選び、比較する感じで尋ねると分かりやすいと思います)

「こっちの(ダマスカスの)方が、凄い模様が付いていて、とても切れ味が良さそうに見えるんだけど、模様のない普通の包丁よりも切れるんでしょ?」 …とか
「ダマスカス模様の層の数が多ければ多いほど、切れ味がいいんですよね?」 …とか
「ダマスカス包丁と普通の包丁を比べたら、誰でも切れ味の違いが体感できるくらい違うんですよね(そのぐらいダマスカスはスゴイんですよね?)」 …といった質問が有効です

刃物に詳しい良心的な店員さんほど、「そんなことはありません」と丁寧に否定して、本当のことを優しく教えてくれるはずです

「おすすめ包丁」の、まとめサイトには気を付けましょう

話が飛びますが、営利目的のキュレーションサイトや、包丁まとめサイトの解説ページも、ダマスカス包丁を持ち上げるばかりで、包丁に対する専門的知識が非常に疑わしいです(そもそもこの手のサイトに倫理観を求める方がおかしいのかもしれません)

あの手のまとめページは、「その道のプロライターが執筆している」ことになっていますがが、ほとんどは外注委託されたライターが、1ページ1000円以下で、やっつけ仕事で書いています(ライター名を検索しても本人がなかなかヒットしないことがほとんどです。「本人は、実在するのか?」と勘繰りたくなるレベルです。知名度が非常に低い、「自称」専門家なのかもしれません)

その手のサイトが「おすすめ包丁」として一押ししているのは、たいてい、ダマスカス包丁オールステンレス包丁です

オールステンレス
グローバル


オールステンレスの包丁を評して、「刃身と柄が一体型のオールステンレスで衛生的!」と、安易な宣伝文句を垂れている時点で、かなり底が浅いことが判ります(そのような受け売りの能書きしか書けないのです)

そのような専門知識の乏しい「自称」専門ライターは、ダマスカス包丁のデメリットを知らずに、究極至極の包丁だと思い込んで執筆しているケースも多々見られます(もしくは、知っての上で購買行動を起こさせるために、メリットしか語らないかのどちらかです)

さらに、「おすすめの包丁15選!」といったページを見ると、おすすめの根拠が全く明らかにされておらず、ただのamazon売れ筋順ランキングのコピペだったりします
DeNAのキュレーションサイトが社会問題化して以来、少しはましになるかと思いましたが、依然として酷い状態です

ダマスカス包丁に限らず、包丁を購入検討中の方は、当サイトの他のページも併読して、自分の用途に合った最適な包丁選びのヒントを見つけてください。(下に、主だった解説ページのリンクを設けました)

内容的にマニアックに踏み込んだものや、一部の売れ筋商品を手厳しく批判したものもあり、あくまでも個人的な意見ではありますが、それほど間違ったことは書いていないつもりです

併せて読みたい、「おすすめの包丁」「包丁選び」

包丁おすすめ おすすめの包丁 (外観より切れ味重視でランキング)
関孫六プレミアシリーズは、貝印の高級洋包丁として5本がラインナップされています
ダマスカスあり、オールステンあり、炭素鋼ありとバリエーションに富んでいます。コバルトスペシャルという耳慣れない鋼材のものもありますが、一体どれがおすすめなのでしょう?
5本それぞれに評価を付与し、歯に衣着せずにランク付けしました。見た目重視で高いだけの商品はバッサリ切っています。一読すれば、包丁に選び方にどのようなポイントがあるかも、おおよそ網羅できることでしょう。

包丁 家庭用のおすすめ包丁(安い価格で、最良の切れ味を)
一般家庭内における「おすすめ包丁」というからには、「手頃に買える価格で、切れ味が良く、それほど錆に気を使わなくて済む」という条件を満たさなくてはなりません(さらに、研ぎやすければ言うことないです)
1万円を超す包丁であれば、いろいろな意味で「最強っぽい」のは各種ありますが、「手頃な価格で」という条件が加わると、とたんに難しくなります
ここでは、関孫六4000CLを例に上げ、炭素鋼複合材の良さを解説してみました
切刃はハガネなので、パリンパリンにシャープな刃が付きます。側面はステンレスなので使い勝手も良いです
ハガネとステンの利器材は、その良さがあまり知られていないため、人気もありませんし、少数の刃物メーカーしか作っていませんが、実際に使うとその素晴らしさに驚きます。見た目は地味なので、外見より中身を取る人におすすめです

包丁の選び方 包丁の選び方(誰も言わないマニアな話)
包丁の選び方には、さまざまなポイントがありますが、購入後の包丁をどうやって研ぐかによっても、包丁の選び方が変わってきます
砥石で包丁を研げる方は、どのような包丁を選んでも構わないのですが、砥石を使うのはちょっと苦手という方は、あまり硬度の高い包丁を選ぶのは考えものなのです
このページでは「シャープナーを上手に使うコツ」や、具体的に「どの包丁を選ぶべきか」など、外食産業の厨房で働いていた経験を元に、具体例を挙げて解説しています

包丁裏話 おすすめのダマスカス包丁を選ぶ - 包丁マニアの裏話
このページでは、おすすめのダマスカス包丁を紹介する上で、「おすすめできない例」も併せて紹介しています
どういった製品は避けた方が良いのか、その根拠は何なのか、きちんと把握することで、包丁に対する理解が深まり、おのずと質の高い包丁を選べるようになるからです
ただ、丁寧に解説しようと熱が入るあまり、業界的には口外が憚られるような、「あんなことや、こんなこと」も書いてしまいました
裏話的な内容も多々ありますが、包丁選びの参考にしてください
(ダメな理由の根拠については、調べることで検証可能なように工夫して解説しています)


おすすめの包丁(外観より切れ味重視でランキング)

家庭用のおすすめ包丁(安い価格で、最良の切れ味を)

おすすめの包丁ブランド(個人の意見です)

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